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内容

江戸湾西岸の品川・六浦の問題の再検討と、これまで比較的研究の手薄であった江戸湾東岸の問題を取り上げ江戸湾を総体的に捉え、房総を含む江戸湾一帯を東西両国の出入り口として位置づけ、そこでの人と物の流れを時の権力者である関東足利氏・上杉氏・後北条氏・里見氏などとの絡みから再検討しようとした習作十一篇。二階堂文書・鶴岡八幡宮文書・妙国寺文書などをはじめ多数の関係史料により、権力闘争を生み出す江戸湾における社会的な富とは一体何であったのかを考察し、当該地域において実際に活動していた氏族の存在とその歴史的性格(専門職能)を明らかにしようとする。

目次

 第一部
第一章 二階堂氏と安房国北部-「二階堂文書」を通じて-
第二章 下総簗田氏の上総安房進出の歴史的意義
-関東足利氏との関係を中心に-
第三章 上総椎津の中世的展開
-「向地」品川との関連で-
第四章 安房木曽氏をめぐって-白浜との関係を中心に-

 第二部
第五章 下総葛西地域の奥津・菊地・会田諸氏の動向
-上杉氏との関係を中心に-
第六章 伊豆菊地氏の族的発展
-上杉氏との関係を中心に-
第七章 蒔田氏の族的性格について
-相模鎌倉・藤沢と西上総を中心に-
第八章 下総渡辺氏の歴史的性格
-古河公方との関係を中心に-

第三部
第九章 武州六浦における大喜氏と山口氏の位置
-安房・上総との関係を中心に-
第十章 武州品川における鳥海氏の動向
-古河・品川・鎌倉間交流をめぐって-
第十一章 武州品川をめぐる房総諸勢力の動向
-品川「妙国寺文書」の禁制をめぐって

紹介媒体

  • 歴史学研究752号

    2001年8月

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