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ニッチュウセンソウカラセカイセンソウヘ
日中戦争から世界戦争へ
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体裁A5判・516頁
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刊行年月2007年01月
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ISBN978-4-7842-1334-4
内容
華北に利権を求める日本。イギリス・アメリカ・ソ連を相手にしてどのような対応をしたのか。日本が世界戦争への道を歩んでゆく姿を明らかにする一書。
目次
序章 東アジア二〇世紀史の中の日本──帝国・敗戦国・経済大国──
第一節 東アジア史の近代と現代
第二節 東アジア史の二〇世紀──近代と現代の交錯──
第三節 日本帝国の形成と植民地主義
第四節 日中戦争から世界戦争へ
第五節 敗戦・占領と日米同盟
第一章 日本陸軍の華北占領地統治計画について
はじめに
第一節 『統治計画書』の位置
1 「綱領」「永久計画」「年度計画」
2 戦争の二つのケース
3 その他
第二節 『統治計画書』の中心部分
第三節 占領地域の警備体制
1 「第三章 要則」
2 第四章「統治区域及管区」、第六章「警備及治安」
第四節 占領地統治機関
1 「統治部」の組織
2 関東軍統治部、「満州国」政府との比較
3 占領地統治の形式と統治組織
第五節 占領後の経済政策
1 資源の獲得
2 統治費と金融
第六節 占領地の交通支配
第七節 その他
1 立法・司法
2 外 事
3 宣 撫
4 其 他
おわりに
附 支那駐屯軍参謀起案「宣伝計画(仮定)」(一九三七年七月八日)について
第二章 日中戦争と日英対立──日本の華北占領地支配と天津英仏租界──
はじめに
第一節 華北の「租界問題」──その一──
1 華北における列強の経済勢力
2 通貨戦争と天津英仏租界
3 「門戸開放・機会均等の消滅」
4 為替管理・貿易管理の導入
第二節 華北の「租界問題」──その二──
1 天津における抗日活動
2 英租界当局の「取締り方針」
第三節 北支那方面軍の対租界工作
1 北支軍の「租界対策」
2 第一次封鎖
3 本間・ピゴット交渉
第四節 天津英仏租界封鎖
1 封鎖断行
2 北支軍の目標
3 租界封鎖の経済的効果
第五節 陸軍中央部の「極東ミュンヘン」構想
1 陸軍中央部の視点
2 陸軍中央部の「極東ミュンヘン」構想
3 陸軍中央部と北支軍
第六節 日英東京会談
1 イギリス政府の局地解決方針
2 「日英交渉要領大綱」の策定
3 首相・外務省・海軍・興亜院
4 日英東京会談
おわりに
第三章 一九三九年の排英運動
はじめに
第一節 日中戦争下右翼の戦争観・対外認識
1 「聖戦論」・「世界戦争不可避論」
2 「防共」と「反英」─「聖戦論」の二契機
3 「異端者」石原莞爾との対比
第二節 日中戦争下最初の反英運動
1 第一次反英運動
2 防共強定強化運動
第三節 「中間期」の運動
1 概 観
2 三八年夏の二つの対外運動
3 日独伊軍事同盟締結要求運動
第四節 一九三九年夏の反英運動
1 運動の一般的分析
2 大阪市における反英運動
3 〈非右翼的要素〉の反英運動
4 右翼の反英運動
おわりに
第四章 日中戦争と帝国議会
第一節 日中戦争の全面化と「戦時体制」の成立
1 日中全面戦争
2 民族解放戦争としての抗日戦争
3 「戦時体制」とその「二元性」
第二節 第一次近衛内閣と第七一帝国議会
1 第七一議会と北支事変
2 財政経済三原則と統制経済
第三節 最初の戦時議会・第七二議会
1 異例の勅語
2 最初の戦時立法
第四節 国家総動員法案と第七三議会
1 「戦時内閣」と第七三議会
2 国家総動員法案
3 電力国家管理法案
4 農地調整法案
第五節 東亜新秩序と第七四議会
1 平沼内閣の成立
2 東亜新秩序声明と第七四議会
3 宗教団体法案と米穀配給統制法案
第六節 斉藤隆夫の反軍演説と第七五議会
1 阿部内閣と第七五議会
2 斉藤隆夫の反軍演説
第五章 日中戦争と陸軍慰安所の創設
はじめに
第一節 警察資料について
第二節 陸軍慰安所の創設
第三節 日本国内における慰安婦募集活動
1 和歌山の誘拐容疑事件
2 北関東・南東北での募集活動
第四節 地方警察の反応と内務省の対策
おわりに
附 軍の後方施設としての軍慰安所
1 陸軍慰安所は野戦酒保の附属施設
2 経理将校の業務と軍慰安所
補論 江口圭一論──『十五年戦争小史』によせて──
あとがき
索引
紹介媒体
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『日本歴史』第755号
2011年4月1日
佐藤元英
書評と紹介