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著者・編者略歴

うの・ひでお・・・1955年滋賀県生まれ.國學院大學大学院日本史学専攻終了.京都市史編纂所を経て、現在京都市歴史資料館主任研究員.専攻は日本中世史.主要業績として『京都 歴史と文化─宗教・民衆─』(共著,平凡社,1994年),『神々の酒肴 湖国の神饌』(共著,思文閣出版、1999年),『上賀茂のもり・やしろ・まつり』(共編著,思文閣出版,2006年)がある.

内容

京都の八瀬の地に平安時代より生活してきた人たちを八瀬童子という。彼らは自治組織を形成し、比叡山や天皇家と深い関わりを持ってきた。今まで非公開であった八瀬童子の関係文書を調査し、民俗調査を行った著者が、彼らの苦難にみちた激動の歩み、そして今に伝わる思想・行動を歴史に裏付けられた「文化」としてとらえた一書。掲載図版87点。

目次

はじめに

第1章 八瀬の不思議〈古代から現代までの時空〉
  八瀬という所/秘められた歩み

第2章 八瀬の景観〈集落の構成〉
  村のかたち/八瀬のかまぶろ

第3章 八瀬童子会文書とは何か〈伝来の至宝〉
  守り伝えられた古文書/八瀬童子の組織/古文書の性格/古文書の保管

第4章 八瀬の宮座〈平安時代の生活〉
  延暦寺と八瀬童子/雑役免除と座役/八瀬童子のみほとけ

第5章 後醍醐天皇と八瀬童子〈伝説と史実の共存〉
  八瀬の天皇伝説/後醍醐天皇の綸旨/後醍醐天皇への思い

第6章 童子と国名〈名誉の称号〉
  後醍醐天皇からの授かりもの/八瀬童子の系譜

第7章 諸役免除〈特権を守る〉
  綸旨/京都所司代下知状/綸旨と下知状の拝領

第8章 村の営み〈暮らしのかたち〉
  村の秩序/隣郷との争い

第9章 延暦寺との争論〈生死をかけた闘い〉
  延暦寺の復権/八瀬童子の直訴/幕府の裁許

第10章 八瀬の正史〈引き継がれた史実〉
  『八瀬記』の場合/『後要用記録大帳』の場合

第11章 赦免地踊〈特権の歓喜は祭礼へ〉
  赦免地の喜び/赦免地踊

第12章 特別積立会から八瀬童子会へ〈さらなる特権の継続〉
  明治時代の幕開け/租税免除と特別積立会の設立/八瀬童子会の設立

第13章 輿丁〈天皇の輿を担ぐ〉
  輿丁としての八瀬童子/宮内省職員として

第14章 大喪と大礼〈全国の注目を集めた八瀬童子〉
  大喪・大礼に奉仕/明治天皇大喪の場合

第15章 歴史の証人〈八瀬童子に聞く〉
  輿丁の思い出(坂本武夫さんに聞く)/皇太后の雑仕(玉置鈴子さんに聞く)/昭和天皇大喪に奉仕(保司博さんに聞く)/今上天皇大礼に奉仕(増田秀勝さんに聞く)/香淳皇后大喪に奉仕(保司博さんに聞く)

第16章 念仏講〈顕彰される歴史と人物〉
  念仏堂から妙伝寺へ/毎月の念仏講

第17章 高殿の役割〈精進潔斎の日々〉
  八瀬の年間行事/高殿の誇り

第18章 老衆たち〈祭りの最高幹部〉
  老衆の役割/老分衆とは

第19章 伝統の継承〈祭りや行事〉
  大切な祭り/組織の充実

第20章 天皇と八瀬童子〈皇室との新しい関係〉
  赦免地踊の披露/皇室とのかかわり

主要参考文献
あとがき
図表一覧
索引

紹介媒体

  • 京都新聞 地域・広告面

    2007年4月20日

    紹介記事

  • 中外日報 新緑読書特集欄

    2007年5月22日

    紹介記事

  • 京都新聞 読書欄(京滋の出版)

    2007年6月3日

    紹介記事

  • 神道フォーラム vol. 3-4 (16)

    2007年7月15日

    新刊紹介

  • 読売新聞 朝刊地域面

    2007年9月27日

    著者宇野日出生氏インタビュー

  • 『日本歴史』714号

    2007年11月1日

    新刊紹介

  • 『史学雑誌』117編1号

    2008年1月20日

    高田陽介

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