菅井汲

1919—1996

  • 菅井汲

プロフィール

菅井汲は、神戸に生まれたが、1952年33歳で渡仏して以来、パリを拠点に活動し、戦後、欧米を中心に活躍した日本人作家のさきがけとして高く評価される。50年代パリ画壇で「洗練された野蛮さ」と評された、単純化されたかたちと、塗り重ねた色面に筆触が残る、個性が強く表れる前期の画風から、1963年以降の、幾何学的なかたちと平坦な色面により、極力個性を排除したものへと移行する。曖昧さを排除する明快な合理主義は生涯徹底され、一貫した食事などその生活態度にも逸話に事欠かない。