この度、思文閣では、「石川九楊展」を開催いたします。
石川九楊の書は、画なりや書なりやという議論を根本から駆逐する圧倒的な迫力と繊細さ、そして唯一無二の存在感を放ちます。それは、これまで絵画的な文脈で語られ、ある種その中に没してきた「書」を根本から説き直し、東アジアで育まれてきた滔々たる歴史を背景に「言葉」の中にうごめく本質を掬いとり、何よりも生きた表現として我々に示してくれます。
本展覧会は、画廊で行われるものとしては今までにない規模のものであり、4月後半から始まる前期展示では、いわゆる書的情緒からの脱却を追求した70年代の「灰色の時代」の代表作と、それまでの集大成といえる「源氏物語Ⅰ」を中心に展観し、5月からの後期展示では、書業の最初期から最新作までをご覧いただけます。
ぜひお運びいただき、石川九楊の世界をご堪能ください。
石川九楊展
思文閣
2025.04.18(金)
2025.06.14(土)
前期 4月18日(金)–5月15日(木)
後期 5月17日(土)–6月14日(土)
※日祝休廊
※4月28日 臨時休廊
※5月16日 展示替えのため休廊
OPEN 10:00 — CLOSE 18:00
石川九楊
書家。1945年福井県生まれ。京都大学法学部卒業。京都精華大学教授、文字文明研究所所長を経て、現在、同大名誉教授。「書は筆蝕の芸術である」ことを解き明かし、書の構造と歴史を読み解く。評論家としても活躍し、日本語論、日本文化論は各界にも大きな影響を与える。作品制作・執筆活動、いずれの分野でも最前線の表現と論考を続け、制作作品は2,000点以上、著作刊行は100点を超える。