思文閣は、OGATA Parisにて、細川護熙展を開催します。
細川護熙は、室町時代(14世紀)の細川頼有(~1391年)を始祖とする武家の当主であり、第79代内閣総理大臣を務めました。政界を引退してからの四半世紀にわたる創作活動では、陶芸、書、絵画(水墨画、日本画、油絵、漆絵)、漆芸や竹工芸に至るまで、芸術家として高い評価を受けています。この度の展覧会では、注目すべき漆芸と陶芸の最新作をご紹介します。
漆は、古くよりjapanと称されるように、日本人の美意識やモノづくりの粋を象徴する素材です。やきものの金継ぎをきっかけに漆を扱うようになったという細川の漆作品は、非常に難しい素材と向き合い、自由な創造の先に到達した独自の表現であり、気品ある美しさをたたえています。
陶芸は、まさに作家人生を歩むきっかけとなったもの。細川のやきものは、虫の声に耳を傾け、自然とともに生きる閑居生活の中で、より自由に、そして、より無垢に深まっています。
パリで日本の文化を発信するOGATA Parisで、現代の文人・細川護煕の世界をお見せできますことは、何にもまして嬉しいことです。日本の歴史・文化に対する深い知識と教養、そして自然との対話のなかで生まれる芸術の中に、悠久の時を経て培われた日本の文化史を感じていただけることでしょう。
細川護熙
1938年、東京生まれ。細川家第18代当主。
熊本県知事を経て、1993年第79代内閣総理大臣に就任。60歳を機に政界を引退。神奈川県湯河原の自邸「不東庵」で陶芸を始める。現在は、作陶のほか、書、画、漆芸、茶杓作りなども手がける。
2001年以降、国内各地、パリ、ニューヨークなどで個展を開催。
公益財団法人永青文庫(細川コレクション)前理事長。
奉納先寺院:建仁寺、東大寺、薬師寺、竜安寺、南禅寺天授庵
細川護熙展
2023年10月18日(水)― 10月31日(火)
OGATA Paris
16 rue Debelleyme 75003 Paris <Google Maps>