思文閣は、TEFAF Maastricht 2024において、「和:共存する力」をテーマに、近世から近代の日本画、戦後美術と現代のブロンズまで、日本の代表的な芸術家の作品を展観します。
「和」は日本そのものを象徴するとともに、「やわらぐ」「なごむ」「あえる」を意味する言葉でもあります。異質なものが互いを引き立て合いながら共存する「和」を日本人は殊に尊んできました。日本三大随筆のひとつ、吉田兼好『徒然草』には「用なき所が万の用に立つ。しかもそれが面白い。」という一節があります。この「用なき所」こそが「間」。「和」の根底には空間的、時間的、そして心理的な「間」が存在します。これが、日本文化が「間の文化」とも称される所以ともいえましょう。
若冲をはじめ、福田平八郎や徳岡神泉、加山又造と横山操、戦後美術では井上有一、山口長男、そして現代の畠山耕治 ……時代や分野は違えども、日本の作家が生み出す作品に息づく「間」の感覚と「和」の思想。それは、民族や国境、紛争をはじめ二元論的思考を追求した先に世界が直面する問題に軽やかな示唆を与えてくれるようでもあります。皆さまに「和の美」の本質を感じていただければ幸いです。
TEFAF Maastricht 2024
2024年3月9日(土)― 3月14日(木)
MECC Maastricht <Google Maps>
Booth 191
出品作家:伊藤若冲、平井楳仙、福田平八郎、徳岡神泉、加山又造、小野竹喬、横山操、中村正義、熊谷守一、山口長男、宮脇愛子、井上有一、畠山耕治