内容

国語学者としての冷徹な眼と俳句結社青玄同人としての天性の叙情豊かな文芸精神とを基盤として、語彙論、意味論、文法論、文体論、文章論、物語文学、和歌文学、仏教文学という広範囲にわたる領域ですぐれた業績を遺した氏の、竹取物語に関する論稿9篇と助詞・助動詞に関する論稿6篇を収める。

目次

序(石原清志)

第一章 竹取物語の本文研究と論考
 竹取物語における本文と策定-主として助詞・助動詞を中心に-
 難題の構成
 会話の文をめぐって
 竹取物語の表現-仏教典籍の表現の投影とその意義-
 竹取物語における和歌の質-作者・成立時期に関する試論
 古本系資料賀茂経樹旧蔵『竹とり物語』について
 賀茂経樹旧蔵『竹とり物語』本文考
 奈良絵本『竹取物語』の一本に就いて
 ディキンズの英訳「竹取の翁の物語」の底本

第二章 助詞・助動詞二関する論考
 「え」の本質と用法
 助詞「の」「が」「つ」の原初的性格について-助詞の成立事情に関する一、二の考察-
 助詞「へ」の性格の再検討-その成立の問題にふれて-
 助動詞「す」「さす」「しむ」
 「つ」の消長をめぐって
 文体における品詞の役割「助詞」

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