日本図書館協会選定図書

内容

養老律令のうちの医疾令に基づき設置された典薬寮は、明治2年廃絶されるまで長い歴史を経てきた。典薬寮とその医家たちの歩みは単に高貴・縉紳の御用のみでなく、広く大衆医療に関わり、歴史の変遷に左右されながら日本医学史の一端を担っていた。本書は本格的な初の典医の歴史である。

目次

第一章 奈良時代
 一 奈良時代の歴史的背景
 二 奈良時代の医学の流れ
 三 典薬寮の成立
 四 医学教育
 五 仏教医学の興隆
 六 奈良時代の施薬院
 七 奈良時代の典医たち

第二章 平安時代
 一 平安時代の歴史的背景
 二 平安時代の文芸文化
 三 平安時代の医学概観
 四 平安時代の医書撰述
 五 平安時代の疫病流行
 六 平安仏教と医療
 七 平安時代の典薬寮
 八 平安時代の典医たち
 九 平安時代の施薬院
 十 平安時代の医事制度の崩壊

第三章 鎌倉時代
 一 鎌倉時代の歴史的背景
 二 鎌倉時代の生活と文化
 三 鎌倉時代の仏教
 四 鎌倉時代の医学概観
 五 鎌倉時代の民間医療
 六 鎌倉時代の僧医たち
 七 鎌倉時代の宮廷医療

第四章 南北朝時代
 一 南北朝時代の歴史的背景
 二 南北朝時代の医学
 三 南北朝時代の医書
 四 典薬寮と医官たち

第五章 室町時代
 一 室町時代の歴史的背景
 二 室町時代の医学
 三 キリシタン医学の導入
 四 室町時代の典医たち

第六章 安土・桃山時代
 一 安土・桃山時代の歴史的背景
 二 安土・桃山時代の医学概観
 三 安土・桃山時代の典薬寮医官たち
 四 施薬院の復興
 五 南蛮医術の伝来と受容

第七章 江戸時代
 一 江戸時代の歴史的背景
 二 江戸時代における医学概観
 三 江戸時代(近世)の典医の歴史
 四 近世典医の地域医療
 五 江戸に下向した典薬寮医官たち
 六 京都貴族の構成
 七 近世の宮家・門跡・公家の医師
 八 典医制度の終焉
 九 漢方の衰滅
 十 漢方医家たちの抵抗
 十一 漢方の再認識と復興の兆


おわりに

主要引用参考文献
索引

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