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内容

中国明時代の正徳・嘉靖年間(1506―66)に生まれ、黄檗山万福寺開山中国僧隠元や一切経の開版を成した鉄眼などを経て日本にももたらされ、今日に至った明朝体。その中国での発生と変遷からわが国への伝来と定着の過程を明らかにし、さらに近代機器による明朝体をも射程にいれ、活字と印刷文化の将来を見つめ直したユニークな文字文化史。

目次

序   林雪光
はじめに

第一章 東洋印刷文化の起こりと進展
 東洋での印刷の始まり
 中国の印刷起源
 朝鮮の印刷
 わが国印刷の黎明とその発達

第二章 文字文化の奔流
 書体の変遷(一)
 書体の変遷(二)
 書体の変遷(三)
 書体の変遷(四)
 書体の変遷(五)
 書体の変遷(六)

第三章 明朝体の源流(一)
 楷書の直線化
 書写の名残り
 版彫刻の分業化
 明朝体の完成

第四章 明朝体の源流(二)
 初期明朝体が形成される様相
 隠元の渡来と万福寺の創建

第五章 明朝体の源流(三)
 黄檗僧の「明朝体楷書」
 模刻本について

第六章 鉄眼禅師の一切経開版
 鉄眼の一切経開版に至るまで
 刻蔵の実状
 黄檗宗門下の開版類
 明朝体の発展

第七章 明朝体移行期の諸刻本

第八章 明朝体の代表的な書風と刻師
 明朝体の木活字本
 刻師仲間の慣習語
 版木師の実状について
 明朝体の幾何学構成と画線の太さ

第九章 明朝体の定着と活字文化
 中国に来た外国人の事績
 わが国における近代的邦文活字と明朝体


参考文献
あとがき
索引(人名・書名・事項)

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