内容

『解体新書』以後の洪庵に代表される日本の蘭医学・・・・・・蘭学者および彼らが学んだ原典とその著者たちのプロソポグラフィー(集団履歴調査法)的研究を通して日本医学の質を明かす。

目次

はじめに

第一章 緒方洪庵の蘭学

一 緒方洪庵と適塾生
誕生と洪庵の受けた教育/適塾の意義/天然痘の流行/種痘の伝来と普及/洪庵の上京/小結

二 緒方洪庵の学統のプロソポグラフィー的検討
はじめに/洪庵の訳書/原著者の履歴/原著者の学統の特徴/新宮凉庭・凉民・凉閣の学統との比較/小結

三 『扶氏経験遺訓』とその原典
はじめに/原著者C.W.H.Hufelandについて/フーヘラソドの著作とオランダ語翻訳版について/ハーへマンJrについて/オランダ語版について/原著と『扶氏経験遺訓』との比較

四 『病学通論』とその典拠書

五 ポンペと緒方洪庵のコレラ治療法
はじめに/それまでの医療/日本におけるコレラ治療の最初の経験/一九世紀中頃のアジアコレラの治療/一八五八年-一八五九年のコレラの流行/ポンぺの治療

六 ポンペの長崎でのカリキュラムについて

第二章 蘭学書の原著者たち

一 『解体新書』のオランダ人原著ディクテンについて
デイクテンについて/デイクテンの業績/解剖学における近代とは

二 ハイステルとユールホールン
ハイステルの評価/ハイステル本の邦訳書/ハイステルの著作/ユールホールン/ローレンツ・ハイステル、ドイツとオランダの外科学を結びつけた人/おわりに

三 ハイステルのHeelkundige onderwyzingenと越邑徳基の『瘍科精選図解』について

四 サンディフォールトとローゼンスタイン-『小児諸病?法治法全書』をめぐって
はじめに/ライデン大学解剖外科学教授/『小児諸病?法治法全書』/ローゼンスタイン/サンディフォールト/ローゼンスタイン・サンディフォールトの小児科書の医史学的意義

五 『西説内科撰要』の原著者ゴルテルについて
『西説内科撰要』とその原著/ゴルテル/ゴルテルの著作/日本語に翻訳された著作/コルプ/コルプ著作/小結

六 プレンクとその著書
ウィーン人プレンクの蘭学史上での重要性/陸軍軍医学校とは/プレンクとその著作/プレンク著書の翻訳/プレンク原著の蘭訳者たち/『小児全書』/『眼科新書』/小結

七 『生理発蒙』の原著者ルバッハについて

八 『?篤児薬性論』とその原典

第三章 東アジアの西洋学

一 種痘の普及-ヨーロッパから東アジアへ
日本における種痘普及の特徴/人痘と牛痘/ジェンナーによる年痘の発明/牛痘のヨーロッパへの普及/オランダへの普及/他のヨーロッパへの普及/東方ルート/日本へ/北方ルート/日本へ、その二/アメリカルート/中国へ/朝鮮へ/日本・中国・朝鮮への伝播ルートのちがい/歴史的背景

二 朝鮮の西学と日本の蘭学-西洋学の受容に際しての日朝両国の比較
はじめに/西洋人の漂着/中国の漢訳西学書/漢訳西学書の朝鮮への受容/朝鮮への種痘の普及/結語

第四章 ヨーロッパ医療界における蘭学のモデルの位置付けについて

西洋人との接触/準備期の西洋医学/受容の第一期/第二期/第三期/結語

おわりに
索引

  • このエントリーをはてなブックマークに追加