明治維新の胎動を準備した大槻玄沢・高野長英・小関三英・福沢諭吉・渡辺崋山らの諸業績の分析を通して洋学の受容と発展を解明し、あわせて近代化に果した軍事の科学化と軍制改革・軍楽などを論じる著者最新の論集。
関連書籍
ヨウガクシロンコウ
洋学史論考
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体裁A5判・410頁
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刊行年月1993年05月
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ISBN4784207821
内容
目次
第一篇 大槻玄沢の研究
第一章 『解体新書』と『重訂解体新書』
原著者の序文について
「解剖学総論」および脚注について
肺と心臓
胃と腸
脾臓について
肝臓と胆嚢
腎臓と膀胱
総括
第二章 フランス革命およびナポレオン戦争期における日本とオランダ-『婆心秘稿』を手掛かりにして-
フランス革命と日本
ドゥーフ「回答書」の検討
ドゥーフとの問答をめぐって
幕府の再問とドゥーフの回答
英露同盟説の展開
付説 大槻玄沢稿『寒燈漫筆』について
第三章 『厚生新編』と『生計纂要』
『生計纂要』の概要
『厚生新編』写本の藩庫納入計画
『厚生新編』写本の藩庫納入
『生計纂要』の命名と由来
第二篇 高野長英と小関三英
第一章 高野長英伝にかんする補遺的考察
長崎遊学時代の長英
江戸開塾時代
投獄・脱獄および逃亡
第二章 小関三英訳『鋳人書』の紹介と研究
序章について
諸学について
渡辺崋山の著書にみえる『鋳人書』の影響
むすびにかえて-蘭学とキリスト教-
付章 福澤諭吉と蘭学
福澤の実学思想の源流
福澤と渡辺崋山
第三篇 幕末における洋学の軍事科学化にかんする研究
序章 国際的環境と洋学の軍事科学化
対外的関係の危機化と洋学
洋学の軍事科学化の源流
アヘン戦争と洋学の軍事科学化
洋学の軍事科学化の展開
第一章 幕末維新時における米沢藩の軍備の近代化と軍政改革
米沢藩の西洋砲術導入
軍政改革
東北戦争終結まで
第二章 幕末における施条銃砲の輸入と製作について-佐賀藩と幕府の場合-
佐賀藩の施条銃砲
幕府と施条銃砲
第三章 幕府の洋楽受容にかんする一考察
高島流砲術と軍楽
長崎における軍楽
幕府と軍楽
諸藩における軍楽
むすびにかえて
あとがき
索引(人名・事項)
紹介媒体
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日本歴史・7月号
1994年7月
藤原 暹