内容

明治維新の胎動を準備した大槻玄沢・高野長英・小関三英・福沢諭吉・渡辺崋山らの諸業績の分析を通して洋学の受容と発展を解明し、あわせて近代化に果した軍事の科学化と軍制改革・軍楽などを論じる著者最新の論集。

目次

第一篇 大槻玄沢の研究
 第一章 『解体新書』と『重訂解体新書』
  原著者の序文について
  「解剖学総論」および脚注について
  肺と心臓
  胃と腸
  脾臓について
  肝臓と胆嚢
  腎臓と膀胱
  総括
 第二章 フランス革命およびナポレオン戦争期における日本とオランダ-『婆心秘稿』を手掛かりにして-
  フランス革命と日本
  ドゥーフ「回答書」の検討
  ドゥーフとの問答をめぐって
  幕府の再問とドゥーフの回答
  英露同盟説の展開
付説 大槻玄沢稿『寒燈漫筆』について
 第三章 『厚生新編』と『生計纂要』
  『生計纂要』の概要
  『厚生新編』写本の藩庫納入計画
  『厚生新編』写本の藩庫納入
  『生計纂要』の命名と由来


第二篇 高野長英と小関三英
 第一章 高野長英伝にかんする補遺的考察
  長崎遊学時代の長英
  江戸開塾時代
  投獄・脱獄および逃亡
 第二章 小関三英訳『鋳人書』の紹介と研究
  序章について
  諸学について
  渡辺崋山の著書にみえる『鋳人書』の影響
  むすびにかえて-蘭学とキリスト教-
 付章 福澤諭吉と蘭学
  福澤の実学思想の源流
  福澤と渡辺崋山


第三篇 幕末における洋学の軍事科学化にかんする研究
 序章 国際的環境と洋学の軍事科学化
  対外的関係の危機化と洋学
  洋学の軍事科学化の源流
  アヘン戦争と洋学の軍事科学化
  洋学の軍事科学化の展開
 第一章 幕末維新時における米沢藩の軍備の近代化と軍政改革
  米沢藩の西洋砲術導入
  軍政改革
  東北戦争終結まで
 第二章 幕末における施条銃砲の輸入と製作について-佐賀藩と幕府の場合-
  佐賀藩の施条銃砲
  幕府と施条銃砲
 第三章 幕府の洋楽受容にかんする一考察
  高島流砲術と軍楽
  長崎における軍楽
  幕府と軍楽
  諸藩における軍楽
  むすびにかえて

あとがき
索引(人名・事項)

紹介媒体

  • 日本歴史・7月号

    1994年7月

    藤原 暹

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