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内容

医療する側と患者の社会経済的な接点ともいえる診療報酬の実態はなかなかつかみ難い。医療ジャーナリズム界で活躍してきた著者が、診療報酬と社会背景に関して膨大な史料をもとに歴史的な考証を加え、古代から明治期にいたる歩みを外国にも視野を広げて跡づけた大著。

目次

後世に残る大著(大谷藤郎)
ユニークな医療史(酒井シヅ)

第1章 古代の国ぐにの医事制度
メソポタミア/エジプト/インド/中国/ギリシャ/ローマ

第2章 中世各国の医事制度
中国/朝鮮/日本/ヨーロッパの国ぐに

第3章 武家の時代と僧医の活躍
武家時代の幕開け/室町~安土・桃山時代の医師

第4章 近世初期の欧州の医療事情
医師社会の成立/医師の養成と報酬

第5章 江戸時代の医事と報酬

第6章 幕末を彩った二人の巨師
順天堂の開祖・佐藤泰然/最後の国手・浅田宗伯

第7章 江戸期にみる二つの養生所
小石川養生所/長崎養生所

第8章 維新直後にみる医療政策
医療制度の刷新に着手/医制の制定と波及効果

第9章 明治初期の病院と入院料

第10章 医療費公定化のモデル

第11章 明治中期の医療料金
開業医の医療料金/病院の医療料金

第12章 明治後期の医療料金
医師法と医師会規程/道府県医師会の設立と医療規約

第13章 規約づくりと明治医会の報酬案
拘束力をました医師会規程/明治医会の報酬規程案

第14章 医療をめぐる世相
近代医療と下層労働者/富者の受療と医師の収入

第15章 医師社会にはびこる病弊
学歴が生んだ医師の収入格差/大学教授の内職

第16章 済生会と実費診療所
済生会の創設と慈恵医療/社団法人「実費診療所」の開設

第17章 実費診療所と医師会の抗争
攻勢に出た横浜市医師会/実費診療所の経営状態

第18章 大正初期の医療料金
明治の終焉と大正の政変/大正初期の医療料金

第19章 大正期における医界の動き
伝染病研究所の移管事件/医薬分業と日本薬剤師会/大日本医師会の結成/医師会と薬剤師会の対立/医師法の改正/日本医師会の誕生

第20章 医療規約の法的拘束力
山崎佐の「医療規約論」/診療契約と医療権/医療権の発生と医療権の抛棄

第21章 大正中・後期の診療料金
物価の騰貴にともなう料金値上げ/大日医が報酬規程について意見書/大小後期の診療料金

第22章 健保法と医師会
成立までの道のり/日本医師会の対応/わが国初の健保診療点数/健保実施後の各界の反応

第23章 医療の社会化
吹き荒れる社会化の嵐/『医療の社会化』の公刊と時代背景/各種団体の救援活動/石原修と鈴木梅四郎/政府の諮問と医師会の建議

第24章 不況の到来と医界の動向
昭和初期の政治状況/報酬規程撤廃の動き/「日本医療刷新連盟」の結成

第25章 過怠金請求をめぐる裁判―いわゆる八王子事件―
実費診療所の乱立と事件の発端/裁判の経過


参考ならびに引用文献
あとがき

紹介媒体

  • 日本病院会ニュース516号

    1996年3月10日

    「新刊案内」欄

  • 全国保険医新聞

    1996年4月15日

    竹内治一

    「読書案内」欄

  • 厚生福祉

    1996年4月17日

    時事通信社

  • 大阪府医ニュース

    1996年5月22日

    大阪府医師会

  • 日本医事新報3761号

    1996年5月25日

  • 岐阜新聞

    1996年5月25日

    「医学の広場」欄

  • カプセル53号

    1996年7月

    日本製薬工業協会

  • 福島民報

    1996年5月20日

  • 社会保険旬報1912号

    1996年6月1日

  • 日医ニュース

    1996年12月20日

    日本医師会

  • 日本医史学雑誌42-4号

    1996年12月

    長門谷洋治

  • KOLBEN98号

    1997年3月

    富山化学工業株

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