王朝仮名文学とその影響下に成立した作品の文章表現を対象に<文章表現史>研究の方法論の確立を試みる
カナブンショウヒョウゲンシノケンキュウ
仮名文章表現史の研究
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体裁A5判・230頁
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刊行年月1996年02月
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ISBN4784209026
内容
目次
序章 仮名文章表現史の対象と方法
一 仮名文章表現史の資料と対象
二 文章史と文章表現史
三 仮名文章表現史と仮名文学史
四 仮名文章表現史における和歌と散文
第一章 仮名文章の草創
一 仮名文章の前哨
二 仮名文章の創造と和歌
第二章 和歌的枠組による仮名文章の形成
一 紀貫之と仮名散文
二 和歌的表現の摂取から吸取へ
三 和歌的発想の散文化
四 和歌内容の散文的再構成
五 和歌的背景の散文的形成
1.地の文と和歌
2.古注の解釈
3.文章の主題と和歌の修辞
4.散文の素材と和歌の主題
5.散文の表現と和歌の表現
6.譬喩と象徴
7.文章の成長と主題の拡大
第三章 仮名文章体の成立
一 記録・説明から描写へ
二 引き歌の成立と展開
1.仮名文章体と引き歌
2.古歌による詠歌
3.日記文学の引き歌
4.物語文学の引き歌
5.源氏物語とそれ以後の引き歌
6.引き歌の成立と展開
第四章 仮名文章体の形成要素
一 仮名文章と助動詞「めり」
1.「めり」の位相
2.「めり」の使用状況
3.「めり」の性格
4.「めり」と「らむ」
5.「めり」の表現性
6.「めり」と「なり」
7.「めり」の変容
二 仮名文章における語構成と文構成
1.複合動詞の形成
2.複合動詞と表現
3.複合動詞の分類と使用頻度
4.文の長さと表現
5.作品別にみた文の長さ
6.文と複合動詞
7.複合動詞の認定
三 仮名文章と接尾語「さ」構文
1.上代の「-さ」の用法
2.三代集の「-さ」の用法
3.後拾遺集以後の「-さ」の用法
4.仮名散文作品の「-さ」の用法
5.「-さ」構文の文章語法化
四 接尾語「-さ」の構文的機能の変遷
1.上代の「-さ」の機能
2.八代集の「-さ」の機能
3.仮名散文の「-さ」
第五章 仮名文章の展開
一 狭衣物語の文章
1.形態的差異と作品の統一性
2.ウ音便形と非ウ音便形
3.助動詞「めり」と引き歌
4.巻による文体的差異
二 徒然草の表現
1.多様性と統一性
2.説話的章段
3.随想的章段
4.考証・記録的章段
5.論説的章段
6.理法の認識と立証
三 徒然草の色彩表現
1.徒然草の色彩語彙
2.徒然草の美意識
四 表現の深さの成立
1.表現の深さと対象
2.構造的定位と創造的空間
3.認識の深さと表現の深さ
4.発句と短歌
5.表現機構と表現の深さ
五 仮名文章と語彙
1.古典作品と語彙
2.堤中納言物語の語彙
3.各編の語彙
4.基本語彙・共通語彙・独自語彙
関係論文初出一覧
あとがき
紹介媒体
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国語と国文学
1997年6月
竹内美智子