寛政11年(1799)徳島に生まれ、本草学を乾純水、医学を養父高錦国に、長崎では吉雄権之助、シーボルトに西洋医学を学び、のち大坂で眼科を開業して名声を博した高良斎の生涯と業績を、戦後の眼科学会の第一線で活躍してきた著者が初めて一書に纏める。高良斎著訳書の研究、研究文献、年表を収めた基本図書。シーボルトにも新たな光が当てられる。
コウリョウサイトソノジダイ
高良斎とその時代
附 日本散瞳薬伝来史
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体裁A5・270頁
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刊行年月1996年05月
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ISBN4784209069
内容
目次
序文(三島濟一)
序文(高慶二)
自序にかえて
Ⅰ 蘭学の時代
Ⅱ 鎖国時代の長崎
Ⅲ シーボルト philipp Franz Balthasar von Siebold と日本
Ⅳ 本草学と阿波藩医学
1 本草学の発達
2 医師学問所の創設と変遷
Ⅴ 本草家乾元亨と純粋
1 乾元亨
2 乾純水
Ⅵ 高良斎の生涯
一 出生
1 山崎家
2 高家
二 少、青年時代
三 長崎時代
1 長崎遊学
2 長崎遊学をすすめた人-高充国-
3 長崎遊学の学資援助
4 長崎遊学と阿波藩出身者
5 長崎遊学時代の学友-美馬順三-
6 長崎遊学の道程
7 シーボルトに師事-シーボルトが要請した研究論文と授与した証状-
8 長崎時代の著訳書
9 シーボルト事件
四 徳島在藩時代
五 大阪時代と逝去
1 良斎が大阪へ去った理由
2 良斎の家塾照淵堂の学風
3 照淵堂門人録
4 大阪時代の著訳書
5 逝去
六 墓所、記念碑、特旨贈位、贈位祭典報告式
1 墓所、記念碑
2 特旨贈位
3 贈位祭典報告式
七 高良斎の長男、高鋭一(雲外、香雨)
1 高鋭一関係史料
2 高良二関係史料
3 高於菟三関係史料
八 現存する高良斎史料
1 眼球模型(高良斎旧蔵)
2 高良斎訳著解説『耳眼詳説』
3 高良斎訳『和蘭文法』付属名言篇
Ⅶ 高良斎著訳書の研究-『眼科必読』を中心として
1 高良斎訳著『眼科必読』
2 本書の原典について
3 本書の内容
4 シーボルトがわが眼科に与えた影響
Ⅷ 日本眼科学史じゃらみたシーボルト事件
1 シーボルト伝授の散瞳薬と シーボルト事件
2 散瞳薬史料
3 土生玄碩がシーボルトへ贈呈して將軍家紋服
Ⅸ 照淵堂一夕話
1 シーボルト慕情
2 銀海美談
3 高良斎の著書刊行不許可と発売禁止
4 高良斎の趣味
5 高良斎伝記の歴史創作
6 高不二郎氏の書簡
Ⅹ 高良斎研究文献
1 高良斎の訳著書
2 高良斎関係文献
ⅩⅠ 高良斎年表
附 日本散瞳薬伝来史
一 はしがき
二 散瞳薬前史
三 散瞳薬の発見
四 シーボルトの江戸幕府
五 尾州藩本草研究グループの人たち
六 シーボルトの江戸散瞳薬実験
七 主要散瞳薬の歴史
1 ベラドンナ
2 ハシリドコロ
3 ヒヨス
4 シキウタ
八 むすびに代えて-硫酸アトロピンの輸入-
あとがき