タイヘイキテキセカイノケンキュウ
太平記的世界の研究
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体裁A5判・290頁
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刊行年月1999年11月
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ISBN4784210210
内容
これまでの『太平記』研究は、国文学の本文研究、歴史学の事実認定に偏してきたが、本書では、『太平記』の描く時代を広く文化史学的視点から論じ、多様な価値観が結合されたその時代性を浮き彫りにする
目次
序章 研究史
第一章 『太平記』とその時代
第一節 『太平記』の成立
問題の所在/『太平記』の作者と成立/『太平記』編纂の目的/夢窓疎石と『太平記』/結語
第二節 『太平記』の思想
問題の所在/後醍醐政権の限界/君臣合体論
第三節 足利政権の成立
問題の所在/尊氏邸/直義邸/政権の推移
第二章 『太平記』的世界の信仰
第一節 初期足利政権と天神信仰
問題の所在/足利氏と天神信仰/儒教の徳治主義と天神信仰
第二節 怨霊思想と天龍寺創建
問題の所在/『太平記』の怨霊記事/夢窓疎石/天龍寺創建/足利氏と天龍寺
第三節 『太平記』と地蔵信仰
問題の所在/足利氏の地蔵信仰/恵鎮と戒律/律僧と『太平記』/結語
補論 天神縁起と『太平記』
問題の所在/『太平記』所引の天神縁起/天神縁起所引の背景
第三章 猿楽能と『太平記』的世界
第一節 修羅能成立の環境
問題の所在/観阿弥時代の修羅能/世阿弥時代の修羅能と幽玄論
第二節 物狂能成立の一系譜
問題の所在/従来の諸説/物狂への契機/犬王と「念仏の申楽」
第三節 物まね論成立の周辺
問題の所在/物まね論の形成/結語
終章 『太平記』的世界から幽玄的世界へ
紹介媒体
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日本歴史626号
2000年7月