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内容

荘園制の成立過程、およびそれに規定された荘園制の構造的特質を問うことは、中世国家、社会を基礎づける構造の成立過程やその特質を問うことである。荘園制成立史研究の最大の意義はこの点に在する──。本書は、1999年に急逝された川端新氏の遺稿集である。
王家領・摂関家領荘園の立荘手続きを詳細に検討し、寄進地系荘園形成における立荘の重要性を明らかにし、下からの寄進行為を基軸に組み立てられていた従来の通説に変更を迫る博士論文「荘園制成立史の研究」を本篇に、付篇には院政期裁判制度を論じた未発表稿を含む6論文を収録。

目次

荘園制成立史研究の視角
院政初期の立荘形態 -寄進と立荘の間-
荘園所職の成立と展開
荘園制的文書体系の成立まで -牒・告書・下文-
興福寺院家領荘園の成立
もう一つの日根荘 -嘉祥寺領和泉国日根荘について-
摂関家領荘園群の形成と伝領 -近衛家領の成立-
播磨国大部荘の開発と水利
平安後期における大和国司
摂関家の南都統制について -勧学院弁別当を中心に-
平安後期公家訴訟制度の研究 -院政期の権門裁判を中心に-
公家領荘園の形成とその構造

紹介媒体

  • 日本歴史641号

    2001年10月

  • 歴史学研究758号

    2002年1月

    秋山哲雄

    史料・文献紹介

  • 史学雑誌111編1号

    2002年1月

  • 日本史研究477号

    2002年5月

  • 史林85-5号

    2002年9月

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