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内容

「王国」にして「植民地」――アイルランドのイギリス帝国におけるこの両義性は、近代国家イギリスの他に類をみない特異なありようを示してもいる。本書は、16~18世紀におけるアイルランドのイギリスとの複雑な関係を最新の研究動向を踏まえつつ丹念に分析し、その位置づけと変遷にとりくんだ著者20年来の成果。

目次

序章
アイルランドとイギリス帝国
アイルランドと近世イギリス帝国史研究
本書の課題と構成

第1部 テューダー朝のアイルランド再征服

第1章 近世初頭のアイルランド
中途半端に終わった中世のアイルランド征服
ヘンリー八世治世下のアイルランド政策とキルデアの乱

第2章 テューダー朝のアイルランド「改革」
アイルランドの「王国化」
「ゲーリック・アイルランド」の「改革」 ―「譲渡と再授封」―
「ペイル」の外の「改革」 ―地方長官・評議会制度―
植民

第3章 「改革」に対するアイルランド既存支配層の反応
「ペイル」の外の反応
「ペイル」の反応
テューダー朝の国家統合とアイルランド ―なぜ「改革」は「征服」に帰結したか―

第4章 「旧き新世界」アイルランド
「植民地」としてのアイルランド
「旧き新世界」アイルランド(1)
「旧き新世界」アイルランド(2)

第2部 「三王国戦争」とアイルランド

第5章 「神のため」か「王のため」か ―「アイルランド・カトリック同盟」の内紛―
「カトリック同盟」の成立
国王との平和交渉と「カトリック同盟」の内紛
「ミア・アイリッシュ」と「オールド・イングリッシュ」

第6章 クロムウェルの征服と「ニュー・イングリッシュ」
土地の没収と分配
クロムウェル期のアイルランド統治と支持基盤
「ニュー・イングリッシュ」と王政復古

第3部 近世イギリス帝国の国制とアイルランド

第7章 「募金法」と「アイルランド・カトリック同盟」の反応
近世イギリス帝国の国制という観点からみた「募金法」の意義
「募金法」に対する「アイルランド・カトリック同盟」の反応
「カトリック同盟」にとってのアイルランド議会独立性の意味

第8章 「ニュー・イングリッシュ」のアイルランド議会独立論 ―ウィリアム・モリニュクスの『弁明』にみる― アイルランド議会の復活とイングランド議会の優越的姿勢
ウィリアム・モリニュクスと『弁明』
「植民地」と「王国」

紹介媒体

  • 読売新聞

    2002年3月29日

  • 歴史学研究776号

    2003年6月

    勝田俊輔

  • 史学雑誌111-12号

    2002年12月

    勝田俊輔

    「新刊紹介」欄

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