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内容

日蘭交流史上で人の果たした役割、人の交流の中で生まれた書物や画像資料、日蘭・日中貿易史における物の交換の諸相、新たな注目を集めている近世における情報活動、近代における洋学の役割など、「人」「物」「情報」の分析を通して新たな知見に迫る論考24篇に年表と文献一覧を付す。

目次

1 人の交流と蘭学
通詞と奉行・カピタン(片桐一男)
司馬江漢の西洋画観(磯崎康彦)
井上春洋・その人と業績(佐光昭二)
中津医学校と中津藩蘭学(川嶌眞人)
清水卯三郎の長崎行を支えた人びと(高橋勇市)

2 書物と人
徳川吉宗と『和蘭問答』―オランダ商館長日誌を通して―(今村英明)
『伊祇利須紀略』と近藤重蔵(木崎弘美)
奥村喜三郎の『経緯儀用法図説』について(佐藤賢一)
古書市場に漂流する洋学者の自筆史料 ―大槻玄沢、本木庄左衛門、本木昌造及びアーネスト・サトウの筆跡の特色―(八木正自)

3 欧文資料・画像資料
「日本に関する観察」 ―一六六九年刊行の文献とその背景について―(ヴォルフガング・ミヒェル)
シーボルト自筆「一八二六年江戸参府旅行の途上、クロノメーターによる緯度・経度の観測値」について(石山禎一)
徳川茂栄の写真史料(藤田英昭)

4 近世の長崎貿易
一八世紀出島オランダ商館の「私貿易」について ―委託経費と商館長買入銅―(八百啓介)
近世中後期の長崎銅貿易と国内産業―古銅の問題を中心に―(若松正志)
幕末期の日蘭貿易―嘉永六年(一八五三)の輸入品を事例として―(石田千尋)
幕末開港以後、長崎における中国人の言伝荷物商法について(長田和之)
長崎御勘定方の経済業務と長崎聞役 ―大田南畝「長崎表御用会計私記」から見た長崎奉行所と長崎聞役―(小山幸伸)

5 情報活動
レザノフ来航予告情報と長崎(松本英治)
渡辺崋山のアジア認識と西洋認識(別所興一)
再検討、オランダ軍艦の長崎入津と国王親書受領一件 ―新出史料「異国船一件」より―(岩下哲典)
彦根・土浦両藩と阿蘭陀風説書(佐藤隆一)
幕末の列強海軍情報とその実態 ―『阿蘭陀別段風説書』記載データを中心にして―(嶋村元宏)

6 洋学の近代
ジュール・ブリュネと大鳥圭介 ―箱館戦争史料「奥羽並蝦夷地出張始末」から―(片山宏)
「小説」の誕生と社会進化論(長沼秀明)

付録
年表 日蘭交流四〇〇年の軌跡(松本英治編)
日蘭交流史関連文献一覧(石井孝編)

紹介媒体

  • 日本史研究495号

    2003年11月

    小川亜弥子

    「新刊紹介」欄

  • 史友35号

    2003年3月20日

  • 日本歴史2月号

    2004年2月

    松井洋子

  • 日本医史学雑誌 50巻3号

    2004年9月20日

    石原力

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