近代日本画が生まれて来るとき、一体、どんなことが起こっていたのか──しがらみにとらわれず、自由な視点で天心・大観・春草の軌跡を丹念に追って、随所で埋もれていた史実を発掘。天心・大観・春草像を新たに彫琢した野心作。
キンダイニホンガウブゴエノトキ
近代日本画、産声のとき
岡倉天心と横山大観、菱田春草
-
体裁A5・290頁
-
刊行年月2004年09月
-
ISBN4784212000
内容
目次
Ⅰ 第四の道――自然発達路線
欧米美術調査へ
ラファージの最新美術情報
茶の湯の発見
精力的な美術調査
天心の生い立ち
フェノロサとの出合い
工部美術学校と日本画擁護運動
フェノロサの『美術真説』
法隆寺秘仏の開扉
図画調査会と鑑画会
欧米美術調査の帰朝報告
辞表を懐に
古美術保護に
芳崖の『悲母観音図』
Ⅱ 天心の独創教育
東京美術学校の開校
懸腕直筆
帝国博物館発足と『国華』発刊
天心路線
『日本美術史』講義
中国美術調査
創作を最重点に
英才教育
禅の手法
禅との接点
授業成績物展覧会
『図案法』――カネ割り
分期制教室――教室の画塾化
西洋画科の新設
古画の模写事業
日本絵画協会第一回絵画共進会
美術学校騒動の伏線
Ⅲ 琳派の発見
東京美術学校騒動
日本美術院の船出
歴史画の流行
無線描法へ
遠近法の放棄
彩色モデル――琳派
琳派の発見者
東京美術学校との和解
天心、インドへ――『アジアは一つ』
初の英文著作――『東洋の理想』
政治綱領――『東洋の覚醒』
大観、春草のインド行き
アメリカへ
”日本美術の新しい古派”
”大統領のテーブル”
日本の主張――『日本の覚醒』
琳派宣言――『絵画について』
Ⅳ 西洋画の克服
『茶の本』――いま一つの『日本の覚醒』
老荘思想で茶の湯を説く
天心屋敷の茶空間
美術院、五浦へ
文展の開催
五浦の制作風景
雅邦逝く
五浦割拠の解体
春草『落葉』と大観『流燈』
美術品収集の渦中に
小泉八雲とフェノロサ
『泰東巧芸史』講義
南画の採取
春草逝く
日本人と中国人の美術観
『白狐』とプリヤンバタ
愛の往復書簡
日米交換教授
天心逝く―――最後の仕事・法隆寺壁画保存
Ⅴ 再び美術院の旗を
日本美術院の再興へ
「親のない後は兄弟です」
日本美術院再興記念展覧会
新光琳派の展開
洋画部の消滅
写意か写実か
天心路線の結実
紹介媒体
-
神戸新聞
2004年12月19日
書評欄
-
新美術新聞
2005年2月11日