カバーなど書籍の外装に多少の汚れ・傷みがございますのでご了承ください。
チュウゴクキンセイニオケルコッカトゼンシュウ
中国近世における国家と禅宗
-
体裁A5判・388頁
-
刊行年月2006年03月
-
ISBN4784212892
著者・編者略歴
1942石川県に生まれる.1964年花園大学仏教学部卒業.1970年大谷大学大学院博士課程単位取得.現在,花園大学文学部教授.博士(文学,大谷大学).
内容
シルク・ロードを通って中国にもたらされた仏教。その歴史は社会や国家と密接に関連し、やがて唐代後半期から大きく展開する禅へと集約される。本書は中国における仏教の姿を正しく把握すべく、4回にわたる廃仏のなかでも最大の「会昌の廃仏」を円仁の『入唐求法巡礼行記』等にみるほか、異国の宗教を理解・受容するために編まれた「偽経・語録」、「僧制・清規」へと発展する戒律の受容などを検証した著者三十余年間の研究成果。
目次
序 中国近世の禅宗
1 語録・清規
2 官僚的仏教
3 居士
序論 中国仏教史における禅宗への推移
1 中世の範囲
2 経・疑経・語録
3 戒律・僧制・清規
4 選仏から選官へ
第一部 唐代後半期の国家と禅宗
第一章 円仁の見聞した会昌廃仏
1 日本と新羅の入唐僧
2 行記に見える会昌廃仏
3 廃仏の実施状況
4 廃仏の原因
第二章 会昌廃仏の原因 ――寒山の仏教批判をてがかりに――
1 寒山
2 寒山の仏教批判
3 廃仏の淵源
4 廃仏の原因
第三章 唐代後半期における成徳藩鎮下の仏教
1 会昌廃仏の実施状況
2 宣宗の復仏
3 従諗、趙州へ
4 成徳藩鎮
第四章 会昌廃仏と金粟如来
1 潙山の警策
2 金粟如来
3 還俗僧の動向
〔補論1〕 会昌廃仏と臨済義玄
〔補論2〕 禅僧と科挙
第二部 宋代の日中交流
第五章 宋代日中仏教交流史 ――禅苑清規と永平清規――
1 禅苑清規と栄西
2 南宋の禅林
3 道元の入宋と如浄
4 道元の清規の精神
5 禅苑清規と道元の清規
第六章 日中交流における大応塔銘の撰者
1 以中智及の跋
2 洎川集の疏
3 月堂宗規撰大応行状
〔補論3〕 無門関の表文
第三部 モンゴル治下江南の禅宗
第七章 元朝の江南統治における仏教
1 行宣政院
2 禅寺・教寺の五山
3 十方住持制
4 行宣政院使
第八章 元朝における中峰明本とその道俗
1 中峰の事績
2 中峰の門下
3 中峰と居士
4 幻住庵・師子院の運営
〔補論4〕 中峰明本と笑隠大訢
第九章 元代の叢林経営
1 清規を中心に
2 東序知事
3 列職雑務
4 寺田の形成
第十章 元代における童行
1 童行の異称
2 童行の由来
3 出家の規定
4 童行から僧へ
5 童行の職掌
6 童行の位地
第十一章 元末帝師の事績
1 帝師の機能
2 帝師の師号下賜
あとがき
初出一覧
索 引
紹介媒体
-
中外日報26892号
2006年6月22日
野口善敬
-
仏教史学研究49巻2号
2007年2月15日
清水智樹
-
中国図書(内山書店)19巻3号
2007年3月1日
河田悌一
2006年読者アンケート