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近世社会と百姓成立
構造論的研究
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体裁A5判・310頁
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刊行年月2007年03月
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ISBN978-4-7842-1340-5
著者・編者略歴
(わたなべ ただし)・・・1947年愛媛県生.大阪経済大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学.日本近世史・日本経済史専攻.大阪市史料調査会主任調査員を経て現在、彿教大学文学部教授.
内容
近世社会において零細な高持百姓はいかにして自らの生活や農耕の日常を凌いでいたのか、経営の自立と再生産を可能としていた「条件」は何であったのか。近世社会における「百姓成立」について、領主権力による「成立」の構造を再検証し、百姓の観点から百姓自らが創出した「成立」の条件と構造を年貢負担と村内の組編成、質入の検討により解明。
目次
はしがき
序章 本書の研究視角と構成
第1節 近世「農民」の分析視角
第2節 本書の構成
第1章 近世の「百姓」像
第1節 近世「百姓」像の系譜
(1)農人と百姓
(2)百姓と「農民」
第2節 近世領主層の「百姓」像
(1)豊臣政権(秀吉)の「百姓」像
(2)徳川政権(家康)の「百姓」像
(3)近世中後期経世家の百姓(農民)観
第2章 近世領主の百姓「保護」構造
第1節 百姓の法的規制
(1)生活と農耕の規制
(2)「百姓」概念の普及方策
(3)「百姓」の実態
第2節 近世徴租法と百姓「保護」
(1)近世の年貢賦課と徴租法
(2)近世検見制と仕法
(3)畝引検見制と仕法の特質
第3章 近世初期の百姓・村と年貢負担
第1節 近世村落の二類型と年貢負担
(1)二つの村落類型
(2)村請制と庄屋請負の系譜と機能
(3)近世初期の庄屋請負
第2節 小領主型の村・百姓と年貢負担
(1)六反村の百姓と年貢負担
(2)六反村の年貢負担構造とその変化
第3節 分付構造の村・百姓と年貢負担
(1)十八条村の分付構造と年貢負担
(2)分付組(構造)と年貢納入構造
第4節 寛文・天和期の百姓・村と年貢負担
(1)分付構造の解体と百姓・村の変化
(2)寛文期の年貢負担と納入構造
(3)天和・貞享期の年貢納入と村請制の確立
第5節 百姓・村の分付組と扶助機能
(1)分付構造と未進・過上米
(2)分付構造の解体と未進米の表面化
(3)未進・過上米と「分付組」による補填
第4章 近世百姓・村の組編成と構造的特質
第一節 近世畿内の村と牛組
(1)「生類あハれみ」令と牛組
(2)近世畿内の牛「持合い」
第2節 十八条村の牛組と構造
(1)牛組の構成と特色
(2)牛組百姓と経営類型
第3節 牛組と村内の組編成
(1)牛組と五人組
(2)牛組と分付組の系譜関係
(3)牛組と百姓の経営
第5章 百姓・村と質入
第1節 百姓・村と質入構造
(1)元禄三年の質入と質物
(2)質と質物
第2節 借銀と経営維持・補填の機能
(1)近世前期の借銀と内訳
(2)百姓・村と借銀の機能
結言
あとがき
索引(事項)
紹介媒体
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『地方史研究』330号(57巻6号)
2007年12月1日
藤塚巨人
-
『日本史研究』549号
2008年5月20日
原田誠司
-
『日本歴史』第723号
2008年8月1日
山本英二
書評と紹介
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『経済史研究』13号
2010年2月20日
本城正徳