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著者・編者略歴

(さとう ひろのぶ)・・・1946年生.早稲田大学第一文学部史学科国史専修卒業.千葉大学大学院人文社会科学研究科教授(文学博士).主な著書に『古河公方足利氏の研究』(校倉書房)『中世東国の支配構造』『続中世東国の支配構造』『江戸湾をめぐる中世』(以上思文閣出版)『中世東国日蓮宗寺院の研究』(東京大学出版会)『越後中世史の世界』『中世東国足利・北条氏の研究』(以上岩田書院)『中世東国政治史論』(塙書房)などがある.

内容

千葉県安房郡鋸南町にある妙本寺は、宗祖日蓮の本弟子の一人日興の孫弟子日郷を寺祖とする豊かな歴史と伝統、由緒を持つ日蓮宗の寺院である。しかし、これまで所蔵史料の未公開なこともあって十分な歴史的検討がなされてこなかった。

本書では、その安房妙本寺の歴代住職のなかで、戦国時代の一宗教者として際だった足跡を残した日我(永正5年~天正14年)の一代記を古文書や記録などの諸史料を用いて年代記(クロノロジー)風に記述し、日我の実像に迫る。

目次

Ⅰ はじめに                        
Ⅱ 日我以前の妙本寺の歩み
 1 妙本寺の創建
 2 日郷の遺したもの
 3 日伝と「妙本寺」の確立  
 4 有徳人僧日永の登場
 5 日安と門流秩序の整備
 6 日要と宗義天奏
 7 妙本寺の戦国時代の到来
 8 日継と日是の時代
 
Ⅲ 妙本寺住職以前の日我
 1 日向長友氏について
 2 日我の初等教育

Ⅳ 妙本寺住職時代の日我
 1 日我の妙本寺進住
 2 「堯我問答」の成立
 3 「申状見聞 私」の成立
 4 「妙本寺年中行事」の世界
 5 「録内御書」の書写作業
 6 小泉久遠寺の再建工事
 7 妙本寺の再建工事
 8 妙本寺本「曾我物語」の成立
 9 妙本寺と戦国の争乱
 10 妙本寺と金谷城の関係
 11 「日我弟子交名」の成立
 12 日我の「小屋」がけの生活
 13 「いろは字」の成立
 14 門流秩序の再建
 15 日我の西国下向
 16 日我の調停活動
 17 「島津家物語」の成立
 18 日我留守中の妙本寺

Ⅴ 隠居時代の日我
 1 日我の隠居
 2 後継者日侃 の生い立ち
 3 新住職日侃をめぐる人的環境
 4 日侃と日我による「両上様」支配
 5 さまざまな宗教的行為
 6 日我の経済的自立
 7 「里見義堯室追善記」の世界
 8 「唯我尊霊百日記」の世界
 9 里見義堯への評価
 10 「我邦雑記」と「当門徒前後案内置文」の世界
 11 勝山城主支配の成立
 12 日我の病歴
 13 日我の死去

Ⅵ 日我没後の妙本寺
 1 江戸時代に向かって
 2 江戸時代における日我像の推移

Ⅶ あとがき

紹介媒体

  • 中外日報

    2007年11月6日

    新刊紹介

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