内容

近世の大阪府藤井寺市一帯は、背後に巨大都市大坂を控えた先進地帯であった。18世紀末以降、河内国丹南郡岡村(現藤井寺市)の庄屋を世襲した豪農・地方名望家が岡田家であり、近世・近代において同家が作成・授受した「岡田家文書」は、1万数千点にもおよぶ。近年整理が進められている岡田家文書を多角的に分析し、畿内における村落と豪農の特質を経済・社会構造の観点から解明する。

目次

序章(渡辺尚志)
第一章 近世後期における河内の諸相(常松隆嗣)
第二章 一八世紀畿内における豪農の成長過程
                             (小酒井大悟)
第三章 享和~弘化年間における岡田家の地主経営
                              (小田真裕)
第四章 幕末期岡田家の地主小作関係と村落 (小松賢司)
第五章 近世後期の畿内における豪農金融の展開と地域
                              (福澤徹三)
第六章 幕末岡田家の大井村小作地支配について(天野彩)
第七章 大坂鈴木町代官支配の構造と惣代参会
           ――岡田家の政治的活動――(野本禎司)
第八章 丹南郡七か村の年貢米廻送
     ――機構・担い手の変化を中心に――(荒武賢一朗)
第九章 近代における岡田家の金融活動――畿内の無担保       貸付への私的所有権確立の影響――(福澤徹三)
終章(渡辺尚志)

紹介媒体

  • 『日本史研究』563号

    2009年7月

    松永友和

    書評

  • 『社会経済史学』第74巻第6号

    2009年3月25日

    大口勇次郎

    書評

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