著者・編者略歴

(あおやま ただまさ)・・・1950年東京生まれ.1983年東北大学大学院文学研究科国史学専攻博士課程単位取得.東北大学助手,大阪商業大学助教授を経て,現在,佛教大学文学部教授・博士(文学・東北大学).
【主要編著書】『幕末維新-奔流の時代-』(文英堂,1996年)『明治維新と国家形成』(吉川弘文館,2000年)『明治維新の言語と史料』(清文堂,2006年)『高杉晋作と奇兵隊』(吉川弘文館,2007年)『定本 奇兵隊日記』全5巻(共編)(マツノ書店,1998年)『宮津市立前尾記念文庫所蔵 元勲・近代諸家書簡集成』(共編)(思文閣出版,2004年)

内容

 かつて「明治維新」は国家の模範であり、「勤王の志士」は国民の規範だった。それらは、国家がみずからの基盤を固めるために創りあげた虚像である。その本当の顔は、身近な所に潜んでいるかもしれない。京都の町並みや大阪のビルの陰にも-。既成の枠組みを取り払った地平に、明治維新の真の姿を見つけ出す作業は、文字通り冒険なのである。
 本書は平易な文体と豊富な図版・地図で明治維新史の魅力を紹介するとともに、「幕末」「明治維新」認識を対象化し、日本固有の「近代」というパラダイムを捉え直していく。

目次

Ⅰ 維新の足跡―フィールドノートより―

維新史を歩こう
京都の町並みのなかに
  桂小五郎と木屋町
  近藤勇と壬生の屯所
  徳川慶喜-京都の将軍-
  岩倉具視と幽棲旧宅
大阪のビルの陰に息づく
  橋本左内と適塾
  大久保利通と中之島
  五代友厚と商都大阪
  堺事件と妙国寺
関西近郊に足を伸ばして
  井伊直弼と埋木舎-彦根-
  勝海舟と海軍操練所-神戸-
  吉村寅太郎と天誅組-大和-
江華島の砲台―韓国―

Ⅱ 兵士と戦い
戊辰戦争と諸隊
馬関攘夷戦争
奇兵隊と四境戦争
ある奇兵隊士の処刑

Ⅲ 人と生きざま
吉田松陰―やさしい教え魔―
岩瀬忠震―辣腕外交官の憤死―
伴林光平と「南山踏雲録」
坂本龍馬と文久・元治年間の政局
龍馬は「暗殺」されたのか

Ⅳ 変動する政局
岩国と薩摩―水面下の薩長交渉―
薩長武力挙兵の勇断
長州の密使
政権奉還と王政復古
御一新と明治太政官制
草莽のゆくえ

関連リンク

紹介媒体

  • 山口新聞

    2008年4月6日

    新刊紹介

  • 読売新聞

    2008年5月4日

    御厨貴

    書評

  • 京都民報

    2008年8月24日

    町田明広

    学術/文化面

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