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センブツノキタミチ
塼仏の来た道
白鳳期仏教受容の様相
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体裁A5判・口絵2頁、本本320頁
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刊行年月2008年12月
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ISBN978-4-7842-1433-4
著者・編者略歴
(ごとう むねとし)……1938年生.大分県出身.九州大学文学部史学科(考古学専攻)卒.博士(文学).現在 別府大学文学部教授
【主要編著書】『東九州歴史考古学論考』(山口書店,1991年)、(以下共著) 岩波講座『日本通史』別巻Ⅱ(1994年)『中世のムラ』(東京大学出版会,1995年)『くにさきの世界-くらしと祈りの原風景』(豊後高田市,1996年)『大分県の歴史』(山川出版社,1997年)『ヒトと環境と文化遺産』(山川出版社,2000年)『大分県日田盆地における開発史的総合研究』(別府大学,2001年)ほか
内容
塼仏は粘土を型押ししてつくられた小さな仏像である。塼仏はインドから中国を経て白鳳時代の奈良・飛鳥に招来されたが、日本では比較的限られた地域に受容され短命のうちに姿を消した。この塼仏が、なぜか当時辺境の地であった大分県宇佐市の虚空蔵寺跡でまとまって出土する。本書はこの「塼仏の来た道」を丹念にたどり、そこにこめられた祈りの諸相を明らかにし、あわせてその途上に浮かび上がる玄奘・道昭・法蓮などの偉大な僧の信仰と人間像に迫る。虚空蔵寺跡の調査に携わった著者が考古学・美術史・文献史学などの領域にわたって学際的に探った一書。
目次
第一章 長安の塼仏と三蔵法師玄奘
一 初唐期の長安の塼仏
二 塼仏に込められた祈り―「泥像」の奉献―
三 インドシナ半島の塼仏の語るもの
四 玄奘の弥勒信仰と塼仏
第二章 白鳳期の仏教受容と塼仏
一 初唐期塼仏の伝来と白鳳仏教
二 奉献と荘厳―塼仏に見る仏教受容の実相―
三 塼仏の伝来と遣唐留学僧
四 道昭と飛鳥の名僧たち
第三章 塼の寺・宇佐虚空蔵寺跡の考古学
一 豊前の古代寺院と宇佐への道
二 古代宇佐郡中枢の形成と古代寺院
三 虚空蔵寺跡の遺跡と遺物
第四章 豊前の僧法蓮 その人と仏教
一 法蓮伝承を読む
二 豊国法師および豊国奇巫について
三 僧法蓮の人と仏教
四 法蓮と飛鳥の仏教
第五章 僧法蓮と宇佐の古代寺院
一 法蓮と塼仏の寺・虚空蔵寺跡
二 弥勒神宮寺の創建と法蓮
付 章 求法の旅人たち
一 玄奘三蔵の人と信仰
二 白鳳時代の精神と僧侶たち
三 『万葉集』雑感
あとがき
参考文献
収録図版一覧
索引(人名・地名・寺社名)
紹介媒体
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『日本考古学』第28号
2009年10月10日
時枝務
書評