ガンザンダイシミクジボンノケンキュウ オミクジヲヨミトク

元三大師御籤本の研究

おみくじを読み解く

大野出 著

  • 体裁
    A5判・202頁
  • 刊行年月
    2009年03月
  • ISBN
    978-4-7842-1454-9

カバーなど書籍の外装に多少の汚れ・傷みがございますのでご了承ください。

著者・編者略歴

おおの いずる・・・1961年東京生.北海道大学文学部(中国哲学専攻)卒業.筑波大学大学院博士課程日本文化研究学際カリキュラム(倫理学専攻)修了.博士(学術).川越市立博物館準備室学芸員,国際大学助手,筑波大学文部技官(準研究員),帯広大谷短期大学日本語日本文学科専任講師等を経て,現在,愛知県立大学文学部准教授.
主著(単著)として『日本の近世と老荘思想-林羅山の思想をめぐって-』(ぺりかん社,1997年),『江戸の占い』(河出書房新社,2004年),共著として『陰陽道の講義』(嵯峨野書院,2002年)など.

内容

 本書はおみくじに関する初めての研究書。おみくじの源流を探っていくと、必ずたどり着くのが元三大師御籤。実は現代のおみくじも多くは元三大師御籤本に由来している。江戸時代のそれらの史料群を時系列に従って比較、分析することによって、ようやく見えてきた近世日本の人々の心のうち。
 江戸時代、おみくじはさまざまな信仰対象と結びついていく。たとえば観音、八幡。あるいは七福神。ところが、それら以上に人々の信仰を集めていた意外なものがあった。それは「天道」。すなわち”お天道様(おてんとうさま)”。これは、おみくじが武士に由来する占いであったこととも深く関係している。巻末に索引を附す。

目次

序 章
  本書の視座

第一章 研究対象としての「おみくじ」、その諸相と概観

  
  おみくじと元三大師信仰
  おみくじと漢詩
  元三大師御籤本
  元三大師御籤本と大雑書
  夏目漱石『明暗』の中の御籤本

第二章 研究史考

  日本における霊籤の受容としての研究
  御籤本に関する研究

第三章 元三大師御籤本の分節点と類別

  時系列に基づく元三大師御籤本の分節点
  注解による元三大師御籤本の類別

第四章 元三大師御籤本の思想史的展開

  元三大師御籤における信仰対象
  信仰の対象としての「天道」
  他力から自力へ

第五章 元三大師御籤本における倫理的処世訓と現世的願望

  元三大師御籤本における倫理的処世訓
  元三大師御籤本における現世的願望
  倫理的処世訓と現世的願望との関係性
  運勢転換の思想
  思想史的意義と現代への示唆

第六章 元三大師御籤本の受容層に関する一つの仮説

  受容者としての武士
  「道具」という項目
  「道具」から見えてくる受容層の変移の様相

終 章

紹介媒体

  • 中外日報

    2009年4月25日

    中外図書室

  • このエントリーをはてなブックマークに追加