永青文庫細川家文書に大量に残された地方行政記録綴「覚帳」や、村役人層をはじめとする住民の評価・褒賞記録綴「町在」の系統的分析を行うことで、19世紀段階の近世行政システムの全容を解明し、さらにそれらが近代社会の成立や地域の近代化にとって、どのような前提条件を提供することになったのかを明らかにする。近世地域社会論の成果と課題を踏まえて、西国大藩としての熊本藩領内の地域社会像を描き出す意欲的論集。
定価
9,900 円(税込)
本体 9,000円
在庫状況:
在庫あり
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9,900 円(税込)
本体 9,000円
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在庫あり
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体裁A5判・420頁
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刊行年月2009年03月
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ISBN978-4-7842-1458-7
内容
目次
第1章 熊本藩政の成立と地域社会─初期手永地域社会論─(稲葉継陽・熊本大学大学院社会文化科学研究科准教授)
第2章 城下町の土地台帳にみる都市運営の特質(松崎範子・熊本大学大学院社会文化科学研究科研究生)
第3章 海辺干拓地における村の組成─肥後国宇土郡亀崎新地亀尾村の事例─(内山幹生・熊本大学学術資料調査研究推進室研究員)
第4章 日本近世における評価・褒賞システムと社会諸階層─一九世紀熊本藩住民評価・褒賞記録「町在」の成立・編成と特質─(吉村豊雄・熊本大学文学部教授)
第5章 幕末維新期熊本藩における軍制改革と惣庄屋(木山貴満・熊本県文化企画課嘱託員)
第6章 幕末維新期熊本藩の「在地合議体制」と政策形成(三澤純・熊本大学文学部准教授)
第7章 明治初年の藩政改革と地域社会運営の変容―藩から県への「民政」の転回―(上野平真希・熊本大学60年史編纂室学術研究員)
第8章 近世地方役人から近代区町村吏へ─地方行政スタッフの明治維新─(今村直樹・日本学術振興会特別研究員)
※執筆者の肩書きは刊行当時のものです
紹介媒体
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『日本歴史』第741号
2010年2月1日
松沢裕作
書評