日本図書館協会選定図書
関連書籍
ヒガシアジアノナカノニホン
東アジアのなかの日本
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体裁四六判・376頁
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刊行年月2009年10月
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ISBN978-4-7842-1479-2
著者・編者略歴
(うえだ・まさあき)…1927年生まれ.京都大学文学部を卒業.1963年京都大学助教授,1969年京都大学文学博士,1970年毎日出版文化賞,1971年京都大学教授.以後,同大埋蔵文化財研究センター長などを歴任し,1991年3月定年退官,京都大学名誉教授.現在,大阪府立図書館名誉館長,姫路文学館館長、島根県立古代出雲歴史博物館名誉館長,高麗美術館館長.
主著に『上田正昭全集』全8巻(角川書店),『古代日本の輝き』(思文閣出版),ほか多数.
内容
折口民俗学を継承する著者の昨今の論文や講演録などを選んで収録。日本列島の歴史や文化の実像をよりあざやかにするために、海を媒介とするアジアとのかかわり、とりわけ東アジアとの関係を重要なテーマとしてきた著者がまとめた最新の一書。
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1960年のころから、日本列島の歴史や文化の実像をよりあざやかにみきわめるためには、海を媒介とするアジアとのかかわり、とりわけ東アジアの動向との関係に注目する必要のあることを痛感するようになった。
まわりを海でかこまれている弧状の日本列島は、ユーラシア大陸の東部に位置する文字どおりの島国である。世間で「島国根性」というのは、閉鎖的な自己中心の精神のありようを指すが、「海国日本」の根性は開かれた生気に満ちていた。
「東アジアのなかの日本」、それは1960年代からの私の一貫した重要な研究テーマのひとつであった。この書をひもといていただく読者のみなさんに、東アジアのなかの日本と歴史のありようとその光と影をするどく読みとっていただけるなら、著者にとってはまことに幸いである。
(「あとがき」より)
目次
Ⅰ
回想・二十世紀
日本とアジア
――その歴史と現代の課題――
古代日本の輝き
探訪――新羅古碑
東アジアのなかの京都盆地
――古代を中心として――
嵯峨野と秦氏
Ⅱ
神々のふるさと
神秘の霊石
神も仏も――日本文化の特質
死をみつめて生きる
Ⅲ
鎮守の森の現在と未来
北ツ海文化と海上の道
銘文研究二十年と古代史
鎮守の森と南方熊楠
ひとりひとりが文化財を守る
Ⅳ
地域史の再発見
倭国から日本国へ
歴史のなかの聖徳太子像
飛鳥廻望
『播磨国風土記』の特色
『風土記』の人びとと生活
Ⅴ
和歌のこころ
――ますらおぶりとたおやめぶり――
保津川開削と了以・素庵
朝鮮通信使と鼻塚
初出一覧
あとがき
紹介媒体
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京都新聞
2009年12月6日
仲尾 宏
書評(読書面)
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『社叢学研究』第8号
2010年3月5日
千田 稔
書評