ナラセンサンビャクネンモノガタリ

奈良 千三百年ものがたり

奈良国立博物館 監修

すずきたみこ 著

  • 体裁
    四六判・292頁
  • 刊行年月
    2010年10月
  • ISBN
    978-4-7842-1540-9

日本図書館協会選定図書

内容

奈良国立博物館の解説ボランティアガイドをつとめる著者が、14年間におよぶボランティアの日々、博物館の展示を通して触れた奈良の文化財・歴史の魅力を、繊細なイラストとともに書き下ろしたエッセイ。ガイドならではのいきいきとした語り口で、今年遷都1300年に沸く奈良にまつわる、とっておきのエピソードをご紹介します。

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奈良の都に吹いた風の匂が聞こえてくるようなこの本は、鏤められた筆者のイラストも素晴らしく、奈良を訪れる人の「こころの旅」のハンドブックとなることを確信している。
(奈良国立博物館長・湯山賢一 序文より)
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目次

序 文(湯山賢一・奈良国立博物館長)

こころの旅・奈良へ

第一章 正倉院宝物と奈良時代
  はじまりは鴎外の門
  律令国家の申し子
  古文書が語る
  平城京遷都と藤原不比等
  遣唐使が行く―その苦難の旅
  皇太子、帝王学を学ぶ
  長屋王事件と天平のはじまり
  孤高の人、憂える日々
  天平文化を支えた写経生
  天平9年の異常事態
  経典、日本国を護る
  大仏、夢のプロジェクト
  大仏開眼―魂を入れる
  大仏開眼―異国の舞
  見果てぬ夢の世界
  最後のとき―大仏に捧ぐ
  幡ひらめく一周忌法要
  光明皇后と宝物と藤原家
  天平を彩る最後の女帝
  あこがれの国の宮廷行事
  もうひとつの覇者の印
  北斗七星に祈りを込め
  唐文化の粋・華麗な楽器
  ペルシアから長安へ―アケメネス朝のデザイン
  ペルシアから長安へ―ササン朝のデザイン
  シルクロードを行くキャラバン
  ジャパネスクへ―時空を超えた文様

第二章 天平のおもかげ
  都の風景
  ハイセンスな仏さま―不空羂索観音像と法華堂(東大寺)
  おぼろ月のような神々―伝日光・月光菩薩立像(東大寺法華堂)
  大陸モードの武人たち―四天王立像(東大寺戒壇院)
  青い目の悪神と仲間たち―阿修羅立像と八部衆(興福寺)
  蓮池から生まれた仏さまたち―伝橘夫人念持仏(法隆寺)
  黄砂を越えて―玄奘三蔵院伽藍・大唐西域壁画殿
(薬師寺)
  天平の宮廷美少女―吉祥天像(薬師寺)
  優美で抜群のプロポーション―薬師三尊立像と聖
観音立像(薬師寺)
  波濤を越えて―鑑真和上坐像(唐招提寺)
  伝説の釈迦誕生ものがたり―誕生釈迦
仏立像(東大寺)
  王者の願い込めた額―西大門勅額(東大寺)

第三章 奇跡を起こす人々の力
  東大寺復興ものがたり―鎌倉期
  東大寺復興ものがたり―江戸期
  お水取りは語る―受け継がれる天平の祈り
  お水取りは語る―実忠和尚の約束
  お水取りは語る―若狭と聖水ものがたり
  お水取りは語る―青い着物を着た女人

第四章 都の文化の広がり
  雅を伝えて千余年
  行列にみる装束の美
  太古の祈りが響く参道(みち)
  若宮さまに捧ぐ芸能
  京の公家・あこがれの春日詣
  一刀に精魂込めて・一刀彫
  伝統のやきもの・赤膚焼

第五章 追憶の風景
  慈悲のこころと天平風呂―からふろ(法華寺)
  依水園と奈良晒
  八窓庵と廃仏毀釈
  川路聖謨とアーネスト・F・フェノロサ

奈良をおもう

紹介媒体

  • 「読売新聞」夕刊

    2010年11月2日

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