グンジギジュツシャノイタリアルネサンス

軍事技術者のイタリア・ルネサンス

築城・大砲・理想都市

白幡俊輔 著

  • 体裁
    A5判・294頁
  • 刊行年月
    2012年03月
  • ISBN
    978-4-7842-1625-3

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著者・編者略歴

しらはた・しゅんすけ・・・一九七八年大阪府生まれ。二〇一〇年京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了。京都大学博士(人間・環境学)。現在、関西学院大学客員研究員。専門、軍事技術史。
主要論文「中世城壁から稜堡式城郭へ―15世紀イタリアの軍事技術・建築家・君主―」(今谷明編『王権と都市』思文閣出版、二〇〇八年)、「15世紀イタリア傭兵隊長の戦術と戦略」(『西洋中世研究』二〇一〇年)他。

内容

幾何学的な平面プラン・直行する街路・整然と配置された街区など、初期ルネサンス期の建築家が夢想した「理想都市」論は、火器の発達とともに軍事的機能に特化していくと単線的に理解されてきた。
本書は、一五世紀シエナの建築家、フランシスコ・ディ・ジョルジョの築城術のなかに共存する合理的な態度と非合理的な態度や、一六世紀以降の築城術にも「理想都市」論的な要素がみられる点など指摘し、ルネサンス期の築城術の変遷過程を問い直す。
 現存する城郭の写真を多数収録。

目次

序 文 軍事技術とルネサンス期イタリアの社会

第1章 ルネサンス期イタリアの戦争・武器・傭兵
第1節 15世紀までのイタリアの軍隊と戦術
第2節 火器と築城術の特徴
第3節 15世紀イタリア傭兵隊長の戦術改革
小 結 傭兵隊長の2つの側面

第2章 フランチェスコ・ディ・ジョルジョの城砦設計と「戦術」
第1節 フランチェスコ・ディ・ジョルジョの城砦:マルケの事例
第2節 フランチェスコ・ディ・ジョルジョの城砦:ナポリの事例
小 結 「重点防御」:フランチェスコ・ディ・ジョルジョの特徴

第3章 ルネサンスの築城術における合理性追求と古典再解釈
第1節 フランチェスコ・ディ・ジョルジョの都市計画:ウィトルーウィウスとの比較
第2節 軍事的合理性:火器に対する防御と「側面射撃」
第3節 古典再解釈による築城術の変化
小 結 「築城術」に秘められた論理

第4章 都市防衛を超えて:16世紀の築城術
第1節 バルダッサーレ・ペルッツィ:16世紀の「マルティーニ派」
第2節 「稜堡式築城」の成立
小 結 築城術の転機

第5章 築城術と「国家の防衛」戦略
第1節 「都市の防衛」から「国家の防衛」へ
第2節 マキァヴェッリのフィレンツェ城壁改修計画:政治思想家の築城術
小 結 国防戦略を担う築城術

終 章 軍事技術の変遷がもつ歴史的意味


資料篇


参考文献一覧
図版出典一覧
あとがき
索引(人名・地名・事項)

紹介媒体

  • 『史学雑誌』第121編第10号

    2012年10月20日

    上尾信哉

    新刊紹介

  • 『建築史学』第59号

    2012年9月

    中島智章

    書評

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