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中世文化と浄土真宗

今井雅晴先生古稀記念論文集編集委員会 編

  • 体裁
    A5判上製函入・654頁
  • 刊行年月
    2012年08月
  • ISBN
    978-4-7842-1636-9 C3015

内容

常に日本中世宗教史研究を先導してきた、筑波大学名誉教授・今井雅晴先生の古稀を記念して、国内のみならず海外にもおよぶ幅広い層の研究者が、親鸞と浄土真宗史研究の進展を期した最新研究28本を寄せた大冊。

目次

緒 言(今井雅晴)

親鸞伝の新展開 ・ 今井雅晴(筑波大学名誉教授)

一 中世文化の中の浄土真宗
空海の御影とその儀礼環境―中世密教の視覚性と正統性の関連について― ・ 阿部龍一(ハーバード大学教授)
穢と不浄をめぐる神と仏 ・ 山田雄司(三重大学教授)
覚如と呪術信仰―治病と臨終に対する姿勢をめぐって― ・ 小山聡子(二松学舎大学准教授)
真宗三尊考 ・ 飛田英世(茨城県立歴史館首席研究員)

二 法然から親鸞へ
建永の法難と九条兼実―法然伝の検討を通して― ・ 平 雅行(大阪大学教授)
親鸞の「転入」の解釈学(要旨) ・ ヒロタ・デニス(龍谷大学教授)
悲しき学び ・ 田村晃徳(武蔵野大学非常勤講師)
親鸞と良忠―その教化と教説― ・ 永村 眞(日本女子大学教授)
法然の残影―覚如と存覚のあいだに― ・ 市川浩史(群馬県立女子大学教授)

三 親鸞の思想
『教行信証』の不思議さの読解(その一)―「化身土」の「弁正論」の引用について― ・ 張 偉(同朋大学准教授)
親鸞の聖徳太子観 ・ 佐藤弘夫(東北大学教授)
親鸞における臨終行儀の否定(要旨) ・ ジャクリン・I・ストーン(プリンストン大学教授)
「二河白道の譬喩」伝播の鳥瞰的考察 ・ 山本浩信(浄土真宗本願寺派教学伝道研究センタ-研究員)
田辺元の『懺悔道としての哲学』における親鸞解釈 ・ 末木文美士(国際日本文化研究センター教授)

四 親鸞とその家族
浄土真宗における恵信尼について(要旨) ・ ジェームズ・C・ドビンズ(オーバリン大学教授)
恵信尼と同時代を生きた三善氏 ・ 樋川智美(真宗文化センター会員)
「本願寺」成立の再考 ・ 林 蕙如(岡山大学大学院博士課程)
真宗史における善鸞伝私考 ・ 御手洗隆明(真宗大谷派教学研究所研究員)
存覚、顕密寺院と修学文化―一四世紀における唱導の報恩言説、諸宗兼学及び浄土教聖教に関する一考察―(要旨) ・ ブライアン・小野坂・ルパート(イリノイ大学教授)

五 親鸞とその門弟
初期真宗門徒における師と弟子―門徒形成の契機として― ・ 植野英夫(千葉県文化財課主任文化財主事)
親鸞門弟中における「沙門」と「沙弥」 ・ 山田雅教(浄土真宗本願寺派教学伝道研究センター研究員)
佛光寺発展の意義―了源・存覚を中心として― ・ 楠 正亮(興泉寺住職)
            

六 浄土真宗の展開
本願寺歴代宗主の伝道―善如期から存如期を中心にして― ・ 髙山秀嗣(東京学芸大学非常勤講師)
「御文」にみる専修念仏言説の一特質 ・ 神田千里(東洋大学教授)
蓮如の善知識観―中世真宗教学における教導者観の展開― ・ 黒田義道(浄土真宗本願寺派教学伝道研究センター研究員)
天文期加賀における「超・本両寺体制」の再検討―超勝寺の動向を中心に― ・ 大溪太郎(早稲田大学大学院博士課程)
北方地域と浄土真宗 ・ 佐々木馨(北海道教育大学教授)


今井雅晴先生履歴年譜・業績目録
編集後記
執筆者紹介


Zonkaku, Established Buddhism, and the Culture of Leaning:Debts, Trans-lineage Study, and the Creation of Pure Land Buddhist "Scripture" in the Foueteenth Century― Brian O. Ruppert

Eshinni in the History of Shin Buddhism― James C. Dobbins

Shinran's Rejection of Deathbed Rites― Jacqueline I. Stone

Shinran's Hermeneutics of Entry into Religious Awareness― Dennis Hirota

関連書籍

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