カミ―キノウ・キョウ・アス

紙―昨日・今日・明日

日本・紙アカデミー25年の軌跡

日本・紙アカデミー 編

  • 体裁
    A5判並製・180頁
  • 刊行年月
    2013年09月
  • ISBN
    978-4-7842-1704-5

内容

1983年、国際紙会議の成功を受け、開催地京都で設立された「日本・紙アカデミー」は今年、活動25年の節目の年を迎えた。本書は、紙の製法の確立や生産、紙のリサイクルの可能性、紙を利用したアートやデザイン、産地ごとに固有の顔をもつ和紙の製法など、多様なアプローチから紙にかかわってきた人々による、紙が生み出した文化をさまざまな角度から分析し、理解しようとする思いが結集した、記念の年にふさわしい論文集。

目次

目次

第1部 戦前から日本・紙アカデミー創設まで
和紙振興の取り組み 田村正(紙漉き師)
和紙の復興に立ち上がった文化人の活動/IPC’83 KYOTO 伊部京子(京都工芸繊維大学 未利用資源有効活用センター特任教授)
東京での和紙文化振興の経緯 辻本直彦(公益財団法人 紙の博物館学芸部長)

第2部 日本・紙アカデミーの25年
日本・紙アカデミー組織概要 伊部京子・鈴木佳子(京都市立芸術大学名誉教授)

第3部 紙のいま、紙の明日

【1 技術の継承】
紙の保存性と被曝した紙資料の取扱 稲葉政満(東京藝術大学大学院教授 和紙文化研究会会長)
紙を飾る日本 増田勝彦(昭和女子大学光葉博物館顧問)
和紙の展望 長谷川聡(長谷川和紙工房代表)
修復における和紙の役割について 宇佐美直治((株)宇佐美修徳堂代表取締役 京表具伝統工芸士)
パピルスの時代に、靱皮繊維を用いた紙は存在した?! 坂本勇(ペーパーコンサベータ 樹皮紙研究者)
金泥経と紙―天平金泥経に先人の知恵と技術を探る 福島久幸(金泥書フォーラム理事 金泥書法研究家)

【2 芸術表現と紙】
日本美術における紙と絵画 並木誠士(京都工芸繊維大学大学院教授)
芸術表現と紙―紙のアート表現と可能性 小山欽也(女子美術大学名誉教授)
表現の手段としての和紙の可能性 五十嵐義郎((株)NATURAL design 空間デザイナー)
美濃・紙の芸術村 須田茂(元美濃市文化会館長)
「和紙」と「ファイバーアート」 ジョー・アール(Bonhamus競売会社ロンドン本社特別顧問)
紙とデザイン教育 中野仁人(京都工芸繊維大学大学院准教授)
インクジェットプリンターを使った作品制作のためのカラーマネジメント 辰巳明久(京都市立芸術大学教授)
紙はリアルな物質である。 竹尾稠((株)竹尾代表取締役社長)

【3 紙と化学】
「和紙」と「雁皮の靱皮繊維」の化学 錦織禎徳(島根大学名誉教授)
紙と水 大江礼三郎(東京農工大学名誉教授)
古代紙に使われた繊維 宍倉佐敏((株)「紙の温度」顧問)
伝統工芸のグローバル化 藤森洋一(阿波和紙伝統工芸士)
紙のエコロジー―紙は環境を破壊するのか?環境を保護するのか? 岡田英三郎(元日本・紙アカデミー常務理事)
野菜の紙 木村照夫(京都工芸繊維大学 未利用資源有効活用研究センター長)

【4 紙の未来】
「紙の文化学」から考える紙の本質と未来 尾鍋史彦(東京大学名誉教授 元日本・紙アカデミー会長)
紙の明日―リアルペーパーと電子ペーパー 中西秀彦(中西印刷(株)専務取締役)
アメリカにおける和紙―昨日・今日・明日 片山寛美(Hiromi Paper,inc.代表)
固有の潜在力を有する「製紙産業」とその将来 辻本直彦


執筆者紹介
索引

紹介媒体

  • 『月刊美術』1月号

    2013年12月20日

    新刊紹介

  • 『月刊水墨画』2月号

    2014年1月15日

    読書タイム

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