内容

 寛永文化の根本史料『隔蓂記』にその記述がみられる幻の史料『名庸集』。今まで全く知られていなかった『名庸集』の内容は、室町時代五山禅林の学僧が頻繁に用いた『排韻増広事類氏族大全』を敷衍したかのような「人名引き百科辞書」といえ、三百四十余名の人名が「帝王」「聖賢」「補弼・将軍」「文人・騒客」「道家・諸子」「美人」「仙人」の順に配列されている。

 本書は信多純一氏(志水文庫)旧蔵本の全丁とあわせて、『名庸集』の一部であった『燈分集』(国立国会図書館所蔵)の影印を収録し、中世から近世初期にいたる文学史・歴史・美術史などの研究に資する。また、第3巻には編者による詳細な解題を収録する。

目次

第一巻 名庸集 乾

 影印

第二巻 名庸集 坤

 影印

第三巻 燈分集/解題

 影印

 解題
菊隠慧叢について―『名庸集』研究序説
『名庸集』の書誌/『燈分集』について
『名庸集』の編者/『名庸集』の別本
後水尾院と寛文年間の五山禅林文壇


あとがき

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