ロウノウ・ナカイタイチロウトノウミンタチノキンダイ

老農・中井太一郎と農民たちの近代

大島佐知子 著

  • 体裁
    A5判上製・388頁
  • 刊行年月
    2013年12月
  • ISBN
    978-4-7842-1710-6

著者・編者略歴

おおしま・さちこ・・・1936年鳥取県生。関西農業史研究会所属。

内容

農業近代化の過程で重要な役割を果たした「老農」といわれた農事改良者たちは近代化のなかで忘れられた存在である。除草機「太一車」の発明者として知られる中井太一郎について、ライフヒストリーを丹念にたどりながら、彼の技術・思想や、その全国巡回を支えた組織・団体などを明らかにする。

目次

巻頭言 西村 卓

第一章 前半生と地租改正反対運動
第一節 太一郎の前半生
第二節 久米・八橋郡地租改正反対運動と太一郎
第三節 地租改正反対運動から農事改良へ

第二章 明治前期鳥取県における農事改良
第一節 太一郎の農業技術と風土
第二節 島根県立植物試験場の創立
第三節 倉吉農学校の創立
第四節 林遠里の招聘と太一郎
第五節 林遠里法に対する太一郎の見解

第三章 太一郎の農業技術体系
第一節 太一郎の農業技術の基底にあるもの
第二節 太一郎法の形成
第三節 全国への発信
第四節 太一郎の自然観・農業観

第四章 太一郎の技術普及(一)
第一節 田打車から太一車へ
第二節 太一車と正条植普及の形態
第三節 全国巡回と太一車・正条植の普及

第五章 太一郎の技術普及(二)
第一節 巡回後半期への出発―『招豊年』『大日本簡易排水法』『大日本稲作要法』を携えて―
第二節 明治三一年の巡回―福島と関東へ
第三節 明治三二年の巡回―岡山県・愛媛県を経て九州へ―
第四節 「農商務省諭達」と地域の対応―短冊形共同苗代をめぐって

第六章 帝国農家一致結合と太一郎
第一節 「種苗交換同盟」から「帝国農家一致結合」へ
第二節 転機となった明治二八年
第三節 急速な拡大と活動の変化
第四節 「帝国農家一致結合」を支えた人々

終 章 晩年の太一郎
第一節 日清・日露戦争に対する太一郎の視線
第二節 鳥取県農会名誉会員および県立倉吉簡易農学校教師としての活動
第三節 中井家の農業経営―中井益蔵の分析―
第四節 太一郎の最晩年


あとがき
中井太一郎関係年表
索引

紹介媒体

  • 「山陰中央新報」

    2014年2月11日

    文化面記事

  • 「日本農業新聞」

    2014年2月16日

    読書

  • 「しんぶん赤旗」

    2014年4月13日

    読書

  • 『日本民俗学』279号

    2014年8月

    内田忠賢

    書誌紹介

  • 『日本歴史』799号

    2014年12月1日

    西村卓

    書評と紹介

  • 『日本史研究』633号

    2015年5月

    勝部眞人

    書評

  • 『社会経済史学』Vol.81, No.1

    2015年5月

    德永光俊

    書評

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