内容

裏千家今日庵業躰として、教授者(茶名宗安)と併せて、茶の湯の研究に従事してきた著者の近年の業績を集成。
今日庵歴代一人ひとりについての論考「裏千家 今日庵歴代」(13篇)、茶の湯ゆかりの人物をめぐって茶の湯の精髄が語られる「茶の湯掃苔抄」(12篇)、時空を自在に行き来する「江戸東京茶の湯散歩」(深川編8篇・日本橋編16篇)の3部構成。

目次

戸田勝久著『護國寺 茶の湯物語』(渡辺保)
井伊直弼著 戸田勝久校注『茶湯一会集・閑夜茶話』(岡本浩一)
戸田勝久著『武野紹鴎 茶と文藝』(廣木一人)
戸田勝久先生喜寿記念論集刊行会編『武野紹鴎 わびの創造』(谷晃)
戸田勝久先生喜寿記念論集刊行会編『武野紹鴎 わびの創造』(矢内一磨)


第一部  裏千家 今日庵歴代

『南方録』にみる露地の思想――紹鴎と利休の節義について
『四座役者目録』の少庵――能と茶の湯との邂逅(であい)
茶室に托す侘茶の心――宗旦の又隠、今日庵、寒雲亭
仙叟と金沢――脇田家、直賢・直能・直長の三代
常叟宗室の軌跡――立花實山との交誼と松山藩への転出
六閑斎――武蔵野にむすび露
竺叟 如心と一燈との架け橋――祖父宗全をめぐる群像のもなか
一燈による今日庵茶道の開闢――速水宗達に魅せられた学徒のこと
不見斎玄室の大居士二百年遠忌
認得斎の背景にあるもの――俳諧の滲透と煎茶の盛行
玄々斎と伊勢松阪――小津松洞庵の春秋
了以 素庵に連綿する又玅斎直叟――その功績を寺西宗二名誉教授に尋く
圓能斎鉄中の東京時代――久松伯爵家と寒雲亭


第二部  茶の湯掃苔抄

武相荘の白洲正子 
柳宗悦の「茶衣メサデ」 
宗観井伊直弼と水戸徳川家 
加藤六美学長の風逸
華頂宮尊超法親王
扶佐子のアルバム
尾張藩 横井家と武野家――青松葉事件の悲惨
益田鈍翁と杉崎湘南庵 
片野青邱から野崎幻庵へ
愛知県士族 柴山準行――長司祭波得と号不言の茶の湯
縫いかけの片袖――慶應義塾と文化学院
尾道戸田家 幽棲軒と不偶庵 


第三部  江戸東京茶の湯散歩

深川編
道しるべ
俳諧の茶事 海辺橋・採荼庵跡
御座船の数奇 隅田川遊覧
清澄庭園・一 岩崎家の文化
清澄庭園・二 岩崎家の文化
霊巌寺 楽翁 松平定信
冬木町 彌平治と小平次
浄心寺 三澤局お秀の方

日本橋編
道しるべ
空日庵趾 新堀の田中宗卜
河村瑞賢 新堀新川茅場町
琴士 常真居士 八丁堀組同心今泉氏
其角と徂徠 山王社の御旅所
茅場町薬師 圓朝の心眼
近代の黎明 潤一郎の「幼少時代」
靫彦の「茶室」陰翳礼讃
蠣殻町と天心『茶の本』の誕生
浜町川上家 宮崎晃蓮先生
大傳馬町 川喜多半泥子の世界
松阪の鼎玄斎 田中宋卜の恩師
竹川竹斎 茅場町に江戸店
長井美濃 深川本誓寺にも墓塔
小津濱萩 十四代茂右衞門の風雅
大傳馬町と松阪 小津 長谷川 長井の三大家

案内略地図


謝辞

紹介媒体

  • 「茶道文化」

    2014年9月1日

    筒井紘一

    書評

  • 「茶華道ニュース」

    2014年9月15日

    紹介

  • 『なごみ』11月号

    2014年11月1日

    新刊案内

  • 『茶道雑誌』4月号

    2015年4月1日

    BOOK REVIEW この一冊

  • 『茶の湯文化学』24号

    2015年9月30日

    依田徹

    書評

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