中世後期の守護とは何であったか。
守護による分国支配は、諸国の地域的特質に規定されて一律に論じられない多様性を持っている。ゆえに、その実態解明はともすれば個別分散的になりがちであった。こうした研究状況を打破し、「守護とは何か」という課題に正面から挑む。
本書の基礎として、北は東北地方の伊達氏から南は九州の島津氏に至るまで、中世守護の受発給文書を網羅的に収集・データベース化。複数の守護家とその受発給文書を相互に比較・検討しながら、守護権力の地域的な差異や、各国・各守護家の特質、そのあり方を全国的規模で把握する。
定価
12,100 円(税込)
本体 11,000円
在庫状況:
残部僅少
チュウセイコウキノシュゴトモンジョシステム
中世後期の守護と文書システム
定価
12,100 円(税込)
本体 11,000円
在庫状況:
残部僅少
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体裁A5判・576頁
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刊行年月2022年01月
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ISBN978-4-7842-2030-4
内容
目次
まえがき(川岡 勉)
第Ⅰ部 諸国守護の発給文書
第一章 中世後期東国における守護の判物の成立と展開(片桐昭彦)
第二章 戦国期越前朝倉氏発給文書にみられる横内折書状(石川美咲)
第三章 南北朝・室町期における六角氏の家督交替と文書発給(新谷和之)
第四章 畠山氏の権力構造と文書発給(小谷利明)
第五章 戦国期播磨における守護方文書の発給動向(野田泰三)
第Ⅱ部 諸国守護の権力構造と分国支配
第六章 中世後期東国守護に関する一試論(佐々木倫朗)
第七章 伊賀・伊勢・志摩国守護仁木氏(古野 貢)
第八章 山名氏の同族連合体制と庶流守護家
―伯耆山名家を中心に―(岡村吉彦)
第九章 守護の権力編成と国人・被官人 ―大内氏分国を中心に―(川岡 勉)
第Ⅲ部 中世後期の都鄙関係
第十章 今川氏と京都(大石泰史)
第十一章 和泉上守護細川氏の書状に関する一考察 ―細川常有父子の私信を中心に― (岡田謙一)
第十二章 西国の地域権力の対京都政策(関係)と在京雑掌(山田貴司)
第十三章 南北朝・室町期島津氏の対幕府関係(新名一仁)
総 論 中世後期守護の歴史的位置(川岡 勉)
附 録 中世後期守護研究の手引き
紹介媒体
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『神戸新聞』書評
2022年5月28日
田中伸明
書評
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『歴史評論』No.875
2023年3月
藤井崇
書評
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『古文書研究』第96号
2023年12月
山田徹
書評と紹介