筑波大学大学院修士課程医科学研究科修了、京都大学博士(工学)。国際日本文化研究センター教授、総合研究大学院大学教授。
『鈴木大拙、禅を超えて』(共編著、思文閣出版、2020年)、『著作権は文化を発展させるのか―人権と文化コモンズ』(人文書院、2021年)、『著作権はなぜこんなに厳しいのか』(人文書院、2011年)。
シュクショウシャカイノブンカソウゾウ
縮小社会の文化創造
附:「縮小社会のエビデンスとメッセージ」展の記録
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体裁B5判・208頁
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刊行年月2023年08月
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ISBN978-4-7842-2062-5
著者・編者略歴
内容
「豊かさ」が文化を生み出してきた従来から転換し、社会が縮小する時代に人々が生み出し享受する文化とはどのようなものになるだろうか。現代の日本で新たな思想や価値につながる何かが芽生えているのか。あるいは制度や社会的な圧力によって生まれなかったものがありはしないか。国際日本文化研究センターでの共同研究会をもとに、多種多様な専門をもつ執筆陣がそれぞれの視角からの問題提起を行う。
書籍後半には、京都国際マンガミュージアムで行われた企画展「縮小社会のエビデンスとメッセージ」(2022年1月~5月)の記録として、しりあがり寿による縮小社会を考える四コマや、「縮小社会を考えるマンガ」の紹介などを収録した。
★★★編集からのひとこと★★★
急激な人口減少と、それに伴う社会・経済水準の低下。そんな「縮小社会」は文化活動にいかなる影響をもたらしているのかを論じる共同論集です。
といっても、社会の縮小はそのまま文化の縮小につながる訳ではありません。
2019年冬から続くコロナ禍で否応なく変化した世界で生まれた、新しい生活様式や価値観が、必ずしもマイナスのものばかりではなかったように、縮小を続ける社会で生まれるプラスの可能性を、各分野の専門家たちが考えます。
目次
総論 縮む日本社会と文化創造のゆくえ(山田奨治)
第1篇 論 考
第1部 文化空間の縮小
ミュージアムの終活(または再生)(太下義之)
縮小する出版業界―雑誌メディアにおける批評空間の縮小は何を意味するのか(谷川建司)
文化多様性という思考の縮小―万国博覧会から考える(佐野真由子)
幻の「和食」文化(沢田眉香子)
〔コラム〕イーロン・マスクの「日本消滅」は幻想である(服部圭郎)
〔コラム〕縮小社会における文化創造と表現の自由(荻野幸太郎)
第2部 文化と労働
「創造」経済と経済格差―現代資本主義における労働と分配について(山本泰三)
戯画化されるケア―吉村萬壱『臣女』と縮小社会のアイロニー(田村美由紀)
〔コラム〕芸術文化の労働・ハラスメントの現状(吉澤弥生)
〔コラム〕女、子ども、そして縮小社会(玉野井麻利子)
第3部 「地方」からの文化創造
縮小社会における地域アイデンティティの強化の必要性に関する一考察(服部圭郎)
縮小社会におけるアグリツーリズムの可能性(試論)(山下典子)
〔コラム〕「伝統」がしんどい(沢田眉香子)
〔コラム〕縮小社会における外国食材市場の拡大、そしてそこから見えること(山下典子)
第4部 福祉からの文化創造
共生社会における障害者の創作活動とは―西淡路希望の家の実践から(服部正)
社会的処方、イギリス、フランスのリール東地区、屋台カフェ(三脇康生)
〔コラム〕公団住宅の変化―人口拡大と人口縮小の中で(三脇康生)
〔コラム〕「マンガ」と「障害」の多面的な関係(吉村和真)
共同研究会の記録
第2篇 「縮小社会のエビデンスとメッセージ:人口・経済/医療・福祉/教育・文化/地域・国際、そしてマンガ」展の記録
全体趣旨
会場図・写真
展示をどのように構成したか(髙橋耕平)
縮小社会を考える「キャラクター」紹介
マンガから考える〈縮小社会〉/〈縮小社会〉から考えるマンガ(イトウユウ)
縮小社会を考える「マンガ作品」
来場者コメントにみる縮小社会での「生」のつむぎ方(山田奨治)
関連企画の記録
紹介媒体
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リエゾンセンター・ライブラリー「デザイン新刊本」紹介
2023年10月1日