オウキョノニッキ テンメイ8ネン~カンセイ2ネン

応挙の日記 天明八年~寛政二年

制作と画料の記録

川﨑 博 著

  • 体裁
    B5判・222頁
  • 刊行年月
    2024年07月
  • ISBN
    978-4-7842-2084-7

著者・編者略歴

1949年岡山市生まれ。1978年京都市立芸術大学西洋画専攻科修了。

内容

応挙の画料はいくらだったのか? 近世の京都絵師、円山応挙(1733~95)が残した、天明八年八月一日から寛政二年九月六日までの制作の記録が、屏風に仕立てられた形で発見された。「制作日誌」とも呼べるその内容からは、注文や画料の授受といった絵師の日常的ななりわいから健康状態、人間関係、制作実態、さらには当時の二朱銀の流通状況なども読み取れ、応挙研究のみならず、経済史史料としても高い価値を有する。
大乗寺に収められる襖絵制作の状況や、天明の大火後の御造営にともなう絵画制作など、歴史的にも興味深い事象について記録される資料を、写真付きの翻刻とともに、解説を付して紹介する。

★★★編集からのひとこと★★★
これまで明らかにされていない、天明大火後の応挙晩年の細かな日々の動静が克明に伝わってくる最新資料。たとえば、
・現在でも人気の高い狗児図は、同時代にも人気で、たくさん作られていて画料は割安(解題第十五章)
・筆記は亡くなる約七年前からはじまり、病で二週間以上も寝込む(「臥」)時期も。天明大火後の墨線の変化と関わるか?(同第十三章)
・御所造営の制作で多忙を極めていたさなかの寛政二年(1789)九月六日で日記が途絶(同第十八章)
などなど、興味深い応挙の実像が浮かび上がってきます。

目次

巻頭カラー口絵(日記隻/写生図隻)

写真と翻刻
解題
あとがき

紹介媒体

  • 『毎日新聞』

    2024年9月14日

    磯田道史

    書評

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