キタガキクニミチノバクマツトキンダイキョウト

北垣国道の幕末と近代京都

高久嶺之介 著

  • 体裁
    A5判・274頁
  • 刊行年月
    2024年10月
  • ISBN
    978-4-7842-2102-8

著者・編者略歴

同志社大学名誉教授・京都橘大学名誉教授

内容

近代京都の琵琶湖疏水事業などで知られる第三代京都府知事、北垣国道(1836~1916)。本書はその波乱に満ちた幕末から晩年にかけての生涯を浮かび上がらせる。幕末の「生野の変」や「天狗」騒動を経て、京都府知事として京都宮津間車道および琵琶湖疏水事業にたずさわり、晩年の北海道庁長官へといたる経緯、そのなかでつちかわれた人脈や行動の考察によって、従来とは異なる人間・北垣国道像を描き出す。

目次

第一章 生野の変と北垣晋太郎
生野の変を北垣・原はどう見ていたか
生野の変前の北垣
生野の変時の北垣
生野の変後の北垣
おわりに―生野の変の痕跡―

第二章 「天狗」騒動から戊辰戦争へ
生野の変後の八木良蔵(北垣)と「天狗」騒動
禁門の変から戊辰戦争直前まで
戊辰戦争と柴捨蔵(北垣)
中央官僚への道
道幅の設定
北垣の視察

第三章 京都府知事北垣国道と京都宮津間車道工事
明治初期の北垣国道
京都府知事就任へ
北垣の「任他主義」
京都宮津間車道工事が開始されるまで
国庫補助金の獲得

第四章 琵琶湖疏水工事着工までの経過―琵琶湖疏水(一)
北垣の琵琶湖疏水構想の着手
滋賀県と大阪府の琵琶湖疏水への対応
内務省主導の琵琶湖疏水計画

第五章 琵琶湖疏水起工後の政治・社会状況―琵琶湖疏水(二)
琵琶湖疏水工事の起工
琵琶湖疏水工事への批判・不満
水力発電へ
竣工式と鴨川運河

第六章 京都府知事最終盤の北垣国道(一八九一~一八九二年)
北垣の二つの書簡―品川弥二郎・松方正義宛て―
第二回衆議院議員選挙
北垣の東上
京都府知事から北海道庁長官への転任

補 論 北垣国道と新島襄
はじめに―新島襄の死―
北垣のキリスト教認識
新島と北垣の接触(一)
新島と北垣の接触(二)
大学設立運動と北垣

第七章 北海道庁長官から拓殖務省次官へ
北海道庁長官としての出発と北海道庁の布陣
北海道開拓事業の取り組み

終 章 北垣の死

使用文献等一覧/人名索引

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