著者・編者略歴

国際日本文化研究センター名誉教授

内容

日記とは何か、古記録とは何か?
長く古記録に関わる研究を牽引してきた著者による、二十数年余りの間に発表された摂関期の古記録に関する論考と、新稿をまとめた論文集。古記録と具注暦を概観し、『小右記』の「記録」状況の仮説を提示する第一部、『小右記』や『御堂関白記』『権記』などの古記録とその写本の表記を詳細に比較分析する第二部、おもに説話に関わる論考から『小右記』の特異性や摂関期の「天皇」号を考察する論考までを盛り込んだ第三部で構成する。
古記録研究の到達点を示すとともに、未来への礎となる一書。

目次

第一部 古記録の研究

第一章 日記が語る日本古代史
第二章 『延喜式』と頒暦・具注暦
第三章 『小右記』の記録状況

第二部 古記録の分析

第一章 『小右記』の仮名
第二章 『御堂関白記』の仮名再考
第三章 『御堂関白記』古写本を書写した「某」
第四章 三条朝の公卿議定
第五章 『権記』に見える配偶者の表記
第六章 『小右記』に見える藤原実資の配偶者と表記

第三部 古記録と貴族社会

第一章 藤原兼通の政権獲得過程
第二章 「コノ話ハ蓋シ小右記ニ出シナラン」考―『小右記』と説話との間に―
第三章 平安貴族社会における「老い」
第四章 摂関期の君主号

終章 古記録研究の展望
おわりに/人名索引/研究者名索引

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