京都工芸繊維大学 デザイン・建築学系 准教授 主な著書として『戦国期風俗図の文化史―吉川・毛利氏と「月次風俗図屏風」』(吉川弘文館、2017年)、『東アジアの庭園表象と建築・美術』(編著、昭和堂、2019年)、「継承される歌枕―御所伝来の「吉野図屏風」の情景描写をめぐって」(松岡心平編『中世に架ける橋』、森話社、2020年)など。
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定価
8,800 円(税込)
本体 8,000円
在庫状況:
未刊
メイショノタンジョウ
名所の誕生
「名」を与えられた風景
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定価
8,800 円(税込)
本体 8,000円
在庫状況:
未刊
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体裁A5判・272頁
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刊行年月2025年03月
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ISBN978-4-7842-2113-4
著者・編者略歴
内容
「名所」は最初から名所であったわけではない。それでは「名」はいつ、誰によって与えられたのであろうか。たとえば、和歌に詠まれた歌枕や、遠くの景勝地を模した「見立て」の名所、社寺や霊場といった巡礼地、漁村の生活風景、植民地期の朝鮮等々……「名所」は多彩である。時代の変遷とともに、文化・宗教・政治などさまざまな要因が絡み合い、さまざまな場が名所となり、文学・絵画作品や紀行文、案内記、写真などに写し取られてきた。
本書では、そうした史資料をもとに、それぞれの土地が「名所」となる過程を明らかにすることで、「名所」のなかに時代や土地を超えて存在する普遍性、「名」の本質を探る。
目次
序(井戸美里)
Ⅰ ことば―見立てられる名所
平安時代に描かれる中国の「名所」(武瀟瀟)
山水と見立ての構造―琵琶湖が名所になるとき(井戸美里)
Ⅱ 物語(ナラティヴ)―記憶がつくる名所
記憶風景の名所―『平家物語』にみる安元の大火(1177)の語り(林かおる)
最後の札所―坂東三十三所と那古寺(岩本馨)
Ⅲ 風俗―営みがつくる名所
浅間神社蔵富士参詣曼荼羅の絵画史的位置―名所風俗図とのかかわりで(並木誠士)
近代鎌倉における名所風景へのまなざし(赤松加寿江)
Ⅳ 都市―開発される名所
幻の名所―大阪城公園と離宮計画(小野芳朗)
写された名所―植民地朝鮮の写真葉書と「芸術写真」を中心に(金桂園)
Ⅴ 接触―近代化する名所
名所を作る―明治期京都の都ホテル(福永愛)
風景と景観の使われ方の変容(中川理)