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モリトヒノカンキョウシ
森と火の環境史【オンデマンド版】
近世・近代日本の焼畑と植生
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体裁A5判並製・400頁
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刊行年月2021年07月
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ISBN978-4-7842-7047-7
内容
火を用いた人と環境との関わりとして焼畑をとらえ、焼畑の近世的展開と「進化」、土地制度史と焼畑、火と植生のポリティクス(政治)を問う。
「人為の火」という観点から、日本の焼畑の歴史地理と環境史を再考する試み。
【担当編集者より】
一般に、木を焼く=環境破壊、というイメージがあるかと思います。焼畑もまた、環境に悪い、原始的な農法として扱われてきました。このイメージは、いつどのように生み出されたのでしょうか。温暖化という言葉がない時代にも、焼畑は悪だったのでしょうか。太閤検地の時代から近代にいたるまでの焼畑の歴史を通して、この農法がどのように変わり、認識されてきたのかを見る、とても面白い内容です。
また、日本では、環境保全の意識が植民地支配のための言説と関わって根付いていった側面もあるという話が、意外ながら納得でした。近代がもたらした現在への影響を、改めて考えさせられます。
目次
第Ⅰ部 近世日本の焼畑と検地
第一章 紀伊山地における焼畑の展開と「進化」
紀伊山地の概観
近世の焼畑とその農法的特徴
樹木栽培の展開と植生への影響
第二章 出羽国村山郡におけるカノの展開と検地
検地におけるカノ畑の処遇
カノ畑の分布と所持
カノの農法的性格とその変化
第三章 太閤検地における山畑と焼畑
織田検地
西国の天正太閤検地
天正の外様大名検地
東国の天正太閤検地
文禄・慶長検地
第四章 地方書にみる焼畑とその概念
17世紀の地方書と「山畠」検地
焼畑をめぐる語彙と地目
総称的概念としての「焼畑」
第Ⅱ部 近代日本の焼畑・植生・学知
第五章 近代日本の林学と焼畑像
植民地林学と焼畑
日本の近代林学と焼畑
近代日本の林政と焼畑
第六章 近代林学と国土の植生管理
植生帯をめぐる三つの学説
植生の改変とその環境史的復原
自然の回復と植生管理の思想
第七章 原野の火入れと学知のポリティクス
明治・大正期の林政と原野
近代林学と「荒廃」原野
木曽からの反論
第八章 植民地朝鮮における焼畑と学知ポリティクス
地図化された想像の環境史
学知の構築と焼畑の修正
植民地社会における環境主義的言説