文明にとって半島は、文化の拡散過程におけるゲートウェイ的性格を持つと同時に、時によっては、文化がそこに滞留し醸成する場でもあった。山東半島と遼東半島についてみると、先史・古代あるいは中世頃までは、中国文明の出口であったが、近代にあっては、日本を始めとした列強諸国による近代文明の侵入口であった。半島は、そこを通過した文明の沈殿層が形成される空間といえる。古代・中世から近代におよぶ通時的・学際的・国際的な議論を通し、東アジア文明論に新視点を与える。2002年春に国際日本文化研究センターで行われたシンポジウムの成果。
定価
5,280 円(税込)
本体 4,800円
在庫状況:
品切
関連書籍
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東アジアと『半島空間』
山東半島と遼東半島
定価
5,280 円(税込)
本体 4,800円
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品切
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体裁A5判・420頁
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刊行年月2002年12月
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ISBN4784211179
内容
目次
はしがき
第Ⅰ部
膠東半島と遼東半島の先史時代における交流 (宮本一夫)
古代の防御集落と青銅器文化の交流 (徐光輝)
古代山東文化と交流 (蔡鳳書)
古代玉文化の交流 (宇野隆夫)
古代鉄文化の交流 (東潮)
古代葬制の交流 (黄暁芬)
山東・遼東・楽浪・倭をめぐる古代銅鏡の流通 (森下章司)
歯からみた山東の古代人 (真鍋義孝)
百済と北斉 (田中俊明)
中世の国際交易活動―張宝高の海上王国について― (千田稔)
衛星画像でみる渤海国の朝貢路―遼東半島・山東半島― (小方登)
隋唐環島文化の形成と展開
―朝陽隋唐墓研究を中心として― (斉東方)
第Ⅱ部
日本軍政と青島:一九一四~二二年 (桂川光正)
メディアの中の青島要塞攻囲戦 (佐藤卓己)
青島のドイツ植民地建築 (渡辺豊和)
近代植民地の地方行政・市政―関東州を事例として― (水内俊雄)
近代朝鮮における山東出身華僑
―植民地期における朝鮮総督府の対華僑政策と
朝鮮人の華僑への反応を中心に― (松田利彦)
満鉄における中国人労働者の状況
―鉄道経営部門を中心として― (郭洪茂)
近代における遼東半島と植民地の教育・宗教・文化事業 (劉毅)
近代植民地と文化―遼東半島の場合― (劉建輝)
あとがき/執筆者一覧
関連リンク
紹介媒体
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奈良新聞
2003年4月27日
「両文明の物理的力関係を」
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京都新聞
2003年4月13日
門田誠一
「歴史的空間に新たな視座から」
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読売新聞夕刊
2003年4月10日
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朝日新聞夕刊
2003年3月7日
「内外の報告もとに日文研シンポ刊行」