内容

女性歴史文化研究所は、「自立した女性の育成」という京都橘女子大学の教学理念を学問的に追究する場として10年前に開設された。女性史研究の気運が高まる中、学際的で国際性、共同性をもった七つのプロェクトを立ち上げ、学外からもひろく人材を得て積極的な活動を行っている。本書は、その研究プロジェクトの成果のひとつで、平安時代から近代まで、京都に生きた女性に視点を据えた論文8本を収める。同研究所に所蔵されている『遊客名簿』の分析を通してこれまであまり取り上げられてこなかった近代京都の遊郭について明らかにした論文など、最新の研究成果が盛りこまれている。

目次

序(松浦京子・京都橘女子大学女性歴史文化研究所所長) 藤原寛子とその時代(増渕徹・京都橘女子大学文学部助教授) 藤原道綱母から菅原孝標女へ ─利用された大嘗会の御禊の意味─(鈴木紀子・京都橘女子大学文学部教授) 戦国期の「家」と女性 ─細川ガラシャの役割─(田端泰子・京都橘女子大学文学部教授) 近松半二の作品にみる「京鹿子娘道成寺」と富十郎の芸の摂取(林久美子・京都橘女子大学文学部助教授) 娼妓と遊客 ─近代京都の遊郭─(横田冬彦・京都橘女子大学文学部教授) 京都大学最初の中国人留学生 ─「女性の権利」の訳者馬君武─(小野和子・京都橘女子大学名誉教授) 小笛事件と山本禾太郎(細川涼一・京都橘女子大学文学部教授) 戦間期京都における婦人運動 ─榊原弥生を中心に─(光田京子)  ※執筆者の肩書きは2002年10月1日現在のものです

紹介媒体

  • 朝日新聞

    2002年11月1日

    京都版

  • 読売新聞

    2002年12月22日

    京都面

  • 京都民報

    2002年12月15日

    久米弘子

    「京都の婦人運動掘り起こす7編」

関連書籍

  • このエントリーをはてなブックマークに追加