イリョウノシャカイシ

医療の社会史

生・老・病・死

京都橘大学女性歴史文化研究所 編

  • 体裁
    A5判並製・304頁
  • 刊行年月
    2013年03月
  • ISBN
    978-4-7842-1677-2 C1021

内容

京都橘大学女性歴史文化研究所の研究プロジェクトの成果のひとつで、医療の社会的展開が通史的にうかがえるようにすることを企図した論文9本・コラム4本を収録。
京都橘大学スタッフによる最新の研究成果を盛りこむ。

目次

Ⅰ 中古・近世の医療と社会

平安中後期における貴族と医師(増渕徹・文学部教授)
  藤原実資と和気相成・丹波忠明
  藤原師通・忠実と丹波忠康・重康
  施薬院使と医家丹波氏

鎌倉幕府の医師(細川涼一・文学部教授)
  丹波時長の鎌倉下向と三幡の治療――源氏将軍の時代
  「尼将軍」北条政子時代の医師――丹波頼経(良基)と和気定基
  摂家将軍九条頼経の医師
  摂家将軍九条頼嗣時代の医師――結番医道体制の確立
  公家将軍宗尊親王の医師――丹波忠茂と丹波長世
  『関東往還記』の丹波忠茂と丹波長世

『本草綱目』に見る中国医療の到達点(島居一康・文学部教授)
  『本草綱目』の版本について
  『本草綱目』の成立過程
  「綱」と「目」――『本草綱目』における薬物分類の新機軸
  中国医学史における『本草綱目』の到達点

《コラム》敦煌石窟壁画からみた民衆の喪葬礼儀――「老人入墓図」を取り上げて(王衛明・文学部教授)

室町・戦国期の山科家の医療と「家薬」の形成――「三位法眼家傳秘方」をめぐって(米澤洋子・非常勤講師)
  山科家と医療Ⅰ――教言から言国へ
  山科家と医療Ⅱ――言綱と「三位法眼家傳秘方」
  山科家と医療Ⅲ――言継と「家薬」の形成

曲直瀬玄朔とその患者たち(田端泰子・名誉教授)
  曲直瀬玄朔と曲直瀬家
  『玄朔道三配剤録』とは
  診察の実態と患者たち

《コラム》モンゴル時代の文化交流――医術のケース(小野浩・文学部教授)


Ⅱ 近・現代の医療と社会

幕末京都における医家と医療(有坂道子・文学部准教授)
  病と治療
  京医の種痘活動
  小石究理堂での学び

明治前期の村と衛生・病気――京都府乙訓郡上植野村を対象に(高久嶺之介・文学部教授)
  明治前期の京都府乙訓郡上植野村の概略
  明治前期の乙訓郡に医者はどれ程いたか
  種痘の開始
  伝染病への対応
  置き薬の世界
  六人部講の成立

《コラム》W.B.イェイツ・シュタイナッハ手術・長寿法(浅井雅志・人間発達学部教授)

錯乱と祟りの間――森鴎外『蛇』の問題圏(野村幸一郎・文学部教授)
  〈知性〉の近代
  自我の彼岸
  全体性への憧憬

母乳が政治性を帯びるとき――世紀転換期ドイツにおける乳児保護の実態と言説(南直人・文学部教授)
  乳児死亡率問題
  都市における乳児保護のための諸施策――ベルリンを例として
  母乳哺育推進か、人工乳改良か――小児医学と乳児保護運動

《コラム》日本の看護基礎教育における死の教育についての概観(奥野茂代・非常勤講師)



あとがき
執筆者紹介

紹介媒体

  • 『日本歴史』第783号

    2013年8月

    新刊寸描

  • 『日本醫史學雑誌』第59巻4号

    2013年12月20日

    書籍紹介

  • 「日医ニュース」

    2014年2月5日

    書籍紹介

  • 『日本ジェンダー研究』第16号

    2013年

    冨士谷あつ子

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