藤原道長の造営で知られる経塚・経筒。実は北部九州こそ、全国に先駆けて経筒の埋納が本格的に行われた地域であり、出土数でも他を圧倒している。本書はおもに九州出土の経筒をとりあげ、考古学・歴史学・美術史学に加え、分析科学などの先端機器を駆使した先駆的研究も収録。文系理系を問わず、さまざまな切り口から「経筒が語る中世の世界」をえがく。多くの研究蓄積のある九州の経塚・経筒について、分野・地域を越えた学際的な視点から再構成を試みる。2007年、別府大学文化財研究所が主催した文化財セミナーの成果をまとめた論集。
定価
5,280 円(税込)
本体 4,800円
在庫状況:
品切
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経筒が語る中世の世界
別府大学文化財研究所企画シリーズ①
定価
5,280 円(税込)
本体 4,800円
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品切
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体裁B5判・236頁
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刊行年月2008年05月
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ISBN978-4-7842-1409-9
内容
目次
はじめに
Ⅰ 経筒が語るヒトの交流の世界
銭は銅材料となるのか――古代~中世の銅生産・流通・信仰――(飯沼賢司)
材料が語る中世――鉛同位体比測定から見た経筒――(平尾良光)
九州出土経筒の鉛同位体比が語るもの(石川ゆかり・平尾良光)
経筒の制作と地域性――東京国立博物館所蔵の紀年銘を有する作品を中心に――(原田一敏)
埋経と仏像(八尋和泉)
経塚勧進僧の行動と連鎖の軌跡――同一名の追跡試論――(栗田勝弘)
Ⅱ 九州地域出土の経筒が語る世界
九州における経塚・経筒研究――研究史と課題――(小田富士雄)
肥後における経筒について(島津義昭)
熊本県人吉・球磨地方における経筒について(和田好史・山本研央)
肥前佐賀の経塚(田平徳栄)
大宰府における経塚経営とその背景(山村信榮)
筑後の経塚と経筒(小澤太郎)
福岡県みやこ町出土の経筒鋳型(木村達美)
福岡県みやこ町勝山松田出土の経筒(井上信隆)
大分県宇佐市妙楽寺出土経筒(佐藤良二郎)
あとがき
執筆者紹介
関連リンク
紹介媒体
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朝日新聞
2008年6月21日
文化
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『史学雑誌』第118編第7号
2009年7月20日
湯川紅美
新刊紹介