センキュウヒャクニジュウネンダイヒガシアジアノブンカコウリュウ

一九二〇年代東アジアの文化交流

大手前大学比較文化研究叢書⑥

川本皓嗣 編

上垣外憲一 編

  • 体裁
    A5判・232頁
  • 刊行年月
    2010年04月
  • ISBN
    978-4-7842-1508-9

カバーなど書籍の外装に多少の汚れ・傷みがございますのでご了承ください。

内容

1920年代日本はいわゆる大正デモクラシーの時代であり、経済の好景気と比較的安定した国際関係によって、海外との交流が新たな展開を見せた時代であった。西洋という価値は相対的なものとなり、東洋回帰も日本の芸術家たちにとって、もう一つの選択肢となってくる。日本の伝統文化に対する西洋人・東洋人のまなざしも、幕末明治期の異国趣味とは一線を画するようになる。中国・朝鮮からの留学生も実り多い文化活動を繰り広げた。明治期の交流にくらべて研究の事例も少なく、未開拓の部分も多い1920年代の東アジア文化交流の様相を、当該各国の研究者を結集することによって、明らかにする。

目次

はじめに  (上垣外憲一・大手前大学教授)

第一章 小説・小説家の交流

一九二〇年代の上海における日中文化人の交流――金子光晴・森三千代の場合を中心に―― (趙怡・東京工業大学非常勤講師)
谷崎潤一郎『日本に於けるクリツプン事件』――事実と虚構の交錯―― (松村昌家・大手前大学名誉教授)
一九二〇年代韓・日文学交流の一様相――金東仁と廉想燮を中心に―― (金春美・高麗大学名誉教授)

第二章 詩をめぐる交流   

白鳥省吾『地上楽園』と金素雲「朝鮮の農民歌謡」 (上垣外憲一・大手前大学教授)
大正天皇御製詩閲読――海外事情に関はる詞藻―― (古田島洋介・明星大学教授)

第三章 戯曲、演劇の交流  

大正戯曲の再検討(Cody Poulton・カナダ ヴィクトリア大学教授)
中国の早期話劇と日本の新劇――春柳社と民衆戲劇社を中心に―― (陳凌虹・早稲田大学演劇博物館GDOE研究員)
中国における『サロメ』 ――死の唯美芸術――(周小儀・北京大学教授)
あとがき(川本皓嗣・大手前大学学長/東京大学名誉教授)

関連書籍

  • このエントリーをはてなブックマークに追加