第20回日本比較文学会賞受賞
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日中演劇交流の諸相
中国近代演劇の成立
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体裁A5判上製・418頁
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刊行年月2014年09月
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ISBN978-4-7842-1722-9
著者・編者略歴
チン リョウコウ・・・1979年中国雲南省昆明市生まれ。
北京日本学研究センター修士課程修了後、総合研究大学院大学文化科学研究科博士課程修了、学術博士。専門は日中近代演劇交流史、比較文学比較文化。現在、華東師範大学専任講師。
内容
日本の明治期、中国の清末民国初期における日中演劇界の緊密な連携関係、とりわけ中国の近代演劇の成立に果たした日本の役割について、両国話劇のはしりである文明戯(中国)と新派(日本)の関係を中心に、多数の新史料と具体的な事象(人物の往来、脚本の翻訳、舞台芸術)を通して総合的に論じる。
目次
序 章
一 本書の課題
二 これまでの研究
三 研究の目的と方法
四 本書の構成
第一章 日中近代演劇の展開
第一節 近代化と演劇改良
第二節 新演劇の誕生
第三節 新演劇の担い手と享受者
第二章 新演劇のネットワーク(一)―政治・戦争と演劇の蜜月―
第一節 新演劇と自由民権運動、日清戦争
第二節 文明戯と維新変法、辛亥革命
第三節 文明戯と京都―任天知進化団と静間小次郎一派の明治座興行―
第三章 新演劇のネットワーク(二)―日中に咲くメロドラマの花―
第一節 日中に咲くメロドラマの花
第二節 「椿姫」「茶花女」「新茶花」―日中における演劇「椿姫」の上演と その意味―
第三節 「不如帰」と「家庭恩怨記」―そのメロドラマ的性格をめぐって―
第四章 舞台芸術としての新派と文明戯
第一節 役者研究―「女形」と「男旦」―
第二節 劇場研究―近代新式劇場の登場―
第三節 新演劇の統合機関―東京新派俳優組合、新劇倶進会―
第五章 文明戯と日本の新劇運動―春柳社と民衆戯劇社を中心に―
第一節 春柳社と新劇
第二節 民衆戯劇社の自由劇場運動と日本
終 章
一 本書の内容と意義
二 新派と文明戯の位置
三 今後の課題
あとがき
初出一覧
参考文献
図版目録
略年表
索引