未開拓な部分が多い1920年代の東アジアの文化交流。当該各国の研究者を結集してその様相を解明する第二弾。
1920年代日本はいわゆる大正デモクラシーの時代であり、経済の好景気と比較的安定した国際関係によって、海外との交流が新たな展開を見せた時代であった。西洋という価値は相対的なものとなり、東洋回帰も日本の芸術家たちにとって、もう一つの選択肢となってくる。日本の伝統文化に対する東洋人のまなざしも、幕末明治期の異国趣味とは一線を画するようになり、中国・朝鮮からの留学生も実り多い文化活動を繰り広げた。
演劇・詩歌・文芸などをテーマに東アジアを総観する。
定価
2,750 円(税込)
本体 2,500円
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在庫あり
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本体 2,500円
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体裁A5判・274頁
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刊行年月2011年07月
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ISBN978-4-7842-1584-3
内容
目次
まえがき(上垣外憲一:大手前大学教授)
第一部 東アジア総観 一九二〇―一九三〇
一九二〇年代の東アジア文化交流と間テクスト性(カレン・ローラ・ソーンバー:ハーバード大学准教授)
孫文の日中経済同盟論とその周辺(竹村民郎:国際日本文化研究センター共同研究員)
―瀧川辨三・儀作の実業思想に関連して―
第二部 演劇の西洋・東洋
一九二〇年代中国におけるシェイクスピア(程朝翔:北京大学教授)
辻聴花の中国劇研究(周閲:北京言語大学教授)
第三部 相互理解の詩学
小さな詩(劉岸偉:東京工業大学教授)
―周作人の日本詩歌論について―
萩原朔太郎と韓国(梁東国:祥明大学教授)
―〈青猫〉の響きと官能表現の変容を中心に―
第四部 花咲く文芸
自伝か、小説か、詩か(趙怡:東京工業大学非常勤講師)
―金子光晴・森三千代が描いた一九二〇年代の上海―
「もの」と云ふもの(岩谷幹子)
―一九一〇年代後半及び二〇年代前半の谷崎潤一郎の名詞表現をめぐる一考察―
郭沫若の『女神』を再読する(厳安生:北京外国語大学教授)
あとがき(川本皓嗣:大手前大学学長)